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2007/10/07

「シンデレラ・ティース」 坂木司

シンデレラ・ティースシンデレラ・ティース
(2006/09/21)
坂木 司

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★★★★☆

このお話、やさしい空気に包まれています。
ひょんなことから大学の夏休みに、叔父の勤める歯科でアルバイトをすることになってしまった咲子。
実は小さいころ、恐い思いをしたトラウマから、歯医者が大の苦手なのです。
クリニックのスタッフや、患者さんとのやり取りを通じて、少しずつ変わっていく咲子のひと夏を、温かく軽やかに描いています。

咲子の仕事は受付。
院長から、治療に役立てるために患者さんの食べ物の嗜好などの生活習慣を聞きだして「第二のカルテ」を作るように言われます。
患者さんの抱える歯にまつわる問題や心の悩みを、クリニックの面々と解決していくのですが、少し謎解き風になっていておもしろいです。
そこに人付き合いの下手な歯科技工士、四谷のことが少しずつ気になり始めた咲子の心の動きが絡みながら進行していく、連作短編集となっています。

クリニックのスタッフが個性的で魅力があり、とても温かく居心地のいい空間です。
みんな仕事に対して真摯で、プロ意識が高く、患者さんへの配慮が行き届いているんです。
クリニックも、パウダールームがあったり、荷物を受付で預かったり、患者をお客様と呼んだりと、まるでスポーツクラブやエステのよう。
ああ、こんな歯医者なら行ってみたい(笑)

四谷以外のスタッフの出番がもっとほしいと思ったのは、それだけ魅力的なキャラクターがそろっているからですね。
成瀬先生のナンパの注意点三カ条には思わず笑ってしまいました。

実は坂木さんのお話を読むのは2作目なのですが、最初に読んだのがどうも自分にあわなくて、それ以来苦手意識がありました。
先日、図書館で何気なく手に取ったこの本。
あ、坂木さんか~と思いつつ書き出しだけ見てみようと思ったら、なんか読みやすそう!
とりあえず借りてみることにしたんですが、正解でした。
おだやかで優しい気持ちになれる本でした。

他の作品も読んでみたくなりました!
坂木司 | Comments(0) | Trackback(0)
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