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2008/03/18

「さよなら、そしてこんにちは」 荻原浩

さよなら、そしてこんにちはさよなら、そしてこんにちは
(2007/10/20)
荻原 浩

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★★★☆☆

最近なかなか読書が進まなかったのですが、この短編集はとても読みやすかったです。
荻原さんの著作で前回読んだ「千年樹」とは打って変わり、コミカルで面白く、さらっと読めるのだけど何かが心に残る、そんな7つの短編で成ります。
表題作、「美獣戦隊ナイトレンジャー」、「長福寺のメリークリスマス」が特に好きでした。
「さよなら、そしてこんにちは」
葬儀社に勤める陽介に、初の子供が生まれようとしている。
笑ったり笑顔を見せてはいけない仕事中、気を紛らわせるために考えるのは、生まれてくる娘とのシチュエーションだった。

喜劇を見ているかのような展開なのだけど、最後にはジンときてしまう、いいお話でした。

「ビューティフルライフ」
農園経営をはじめようと都会から田舎へ引越してきた4人家族のどたばた劇。
元サラリーマンの父と夢見がちな母が思い描いていた、素敵な暮らしとはかけ離れた現実がそこにはあった。
普通はもう少し下調べや準備をしてから行動するんじゃないかなぁと思いましたが、実際に暮らしてみないと分からない現実もあるのかもしれませんね。
田舎に越してきたもう1つの理由を知って、印象が変わったお話でした。

「スーパーマンの憂鬱」
スーパーに勤める孝司は、テレビの情報番組で健康や美容によいと紹介される食品にふりまわされている。

消費者側の私はテレビ番組に踊らされるようにそういったものを買ってしまうのだけど、売り手のほうもかじりつくように番組をチェックし、戦々恐々としながら見込みで仕入れたりしているんだなぁと、今さらながらうなってしまいました。

「美獣戦隊ナイトレンジャー」
由美子は戦隊モノの「ナイトレンジャー」を毎週密かに心待ちにしている。
というのも、ブルーレンジャー役のタカムラカズマに心奪われているから。

子供は興味を失いつつあるのに、カズマ見たさにどうにか見ようと画策する母親の必死さがコミカルです。
ショーを見に行った後半部分の展開がよく、由美子の行動に拍手でした。


「寿し辰のいちばん長い日」
あまりはやっていない寿司屋「寿し辰」の店主・辰五郎は、頑固で昔ながらの職人気質。
その日やってきた一人の客がどうやらグルメライターのようで、ここぞとばかりに客の注文に答えようとする。

仏頂面ながら実は張り切っている辰五郎、グルメライターらしき客、様子を見守る常連客と若いカップル、と絵が自然に浮かんでくるようでした。

「スローライフ」
スローフードが流行りだして以来、手間と時間のかかる料理を得意としてきた料理研究家で主婦の美也子は大忙し。
原稿や取材やテレビ出演と相次ぎ、スローライフどころではなくなってしまい・・。

その本末転倒な状況が皮肉にもユーモラスたっぷりに描かれていて面白く読めました。

「長福寺のメリークリスマス」
覚念は長福寺の住職。
妻の絵里奈と娘のうてなにクリスマスを祝いたいとせがまれるが、異教の行事に関わることに後ろめたさを感じるとともに、檀家らの手前、堂々と準備をすることもはばかられ・・。

住職の生真面目さとドキドキが伝わってきて楽しく読めたし、ほんわかとした読後感が得られました。
あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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