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2008/01/09

「新釈 走れメロス 他四篇」 森見登美彦

新釈 走れメロス 他四篇新釈 走れメロス 他四篇
(2007/03/13)
森見 登美彦

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★★★☆☆

5つの名作を、それぞれの原典のテイストを生かした形で、森見さん独特の世界観で再構築した短編集。
テイストを生かすといっても、文体や設定や雰囲気は踏まえていますが、主題は微妙にずれがあり、別物のお話です。
(ちなみに原作は前半3作が既読、後半2作は未読なので、既読のものについてしか分かりません。
でも「桜の森の満開の下」も青空文庫で読んでみましたが、やはりずれがあると思います。)

それはさておき、いずれも森見さんお得意の京都が舞台となっている、腐れ大学生たち(笑)のお話となっています。
パロディとして気軽に読めば、それぞれの短編で登場人物がリンクしているし、以前読んだ「夜は短し歩けよ乙女」ワールドともつながっていて楽しめました。
「山月記」(原作者 中島敦)
原作は授業でも習った作品です。
漢文口調の硬い文体と主人公の奇天烈な行動が組み合わさることで、面白さが引き立っていました。
とくに秋刀魚好きの記述がなんとも面白いです。
ここにでてくる強烈なキャラクターの斎藤秀太郎が、他の短編のなかでもあちこち登場します。

「藪の中」(原作者 芥川龍之介)
同じ出来事について、それぞれ関わりのある人が語るなかで、微妙な食い違いが見られて面白いです。
でも、最近このような構成のお話はわりと見かけるので、目新しい感じはありませんでした。
お話自体も原典のほうが好きです。

「走れメロス」(原作者 太宰治)
このお話にはかなり驚かされました。
でました、詭弁論部にパンツ番長(苦笑)
「友人との約束」の逆転の発想が面白いです。
勢いがありテンポもよくて、疾走感を感じられるお話。
「夜は短し歩けよ乙女」が面白かった人は、このお話は好きだと思います。

「桜の森の満開の下」(原作者 坂口安吾)
原典を知らずに読みました。
「走れメロス」の馬鹿げた面白さから一転、「です・ます」調の落ち着いた印象で、逆らえない流れへの戸惑いや諦観の物悲しさをひたひたと感じました。
桜って綺麗だけれど、狂気や畏怖のモチーフとして使われることもあって、何かが宿っていそうな怖いイメージもあります。
それが、ここで登場する美しくも冷たい女性とも重なって、不気味で印象深かったです。

「百物語」(原作者 森鴎外)
最後まで読んで不気味さが感じられたものの、原典を知らないまま読んだせいか、話の面白さはいまいちでした。
でも最終編に登場人物がそろって出てくる話をもってきたのは、うまいなぁと思いました。
森見登美彦 | Comments(0) | Trackback(0)
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