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2007/11/17

「読み違え源氏物語」 清水義範

読み違え源氏物語読み違え源氏物語
(2007/02)
清水 義範

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★★★☆☆

中高生のときに漫画「あさきゆめみし」を読んで以来、現代語訳版をざっと読み、解釈の講義を受けたり研究授業に参加したりと、学生時代にはそれなりに興味を持っていた「源氏物語」。(でも、古文はあまり得意科目ではありませんでしたが 笑)

今となっては子細を忘れてしまうほど遠い存在になっていますが、「読み違え源氏物語」というタイトルに惹かれて、この本を読んでみました。
とても面白い趣向で、かなり斬新なものもありました。
ちなみに清水義範さんの本は初読みです。

学校で習うので問題ないかもしれませんが、私のように細部があやふや、または全く知らないという場合は、原典の主要人物がどういう人となりなのかを確認し、簡単にあらすじだけでも追っておいたほうが、楽しめると思います。
それを踏まえて読めば、源氏物語や古典が得意でない人も、このエピソードや人物が出てくる巻だけは読んでみようかな、なんて気分になるかもしれませんね。
私自身、また原典を読みたくなりました(笑)
以下、8編収録です。
「夕顔殺人事件」(夕顔)
源氏物語がミステリーになってしまうだなんて!
夕顔が怪死するのは有名な話ですが、こんなふうに考えたことがなかったので、発想に驚いたし、一番おもしろく読めました。
言われてみればそうかも・・・なんて納得している自分がいます(笑)

「かの御方の日記」(葵の上)
葵の上が書いた日記体裁の文です。
葵の上のイメージそのものなんですが、切々と綴られた夫(光源氏)への思いに、現代にも通じる普遍的な感情を感じました。
まるで原文ありきの現代語訳を読んでいるかのような気持ちになります。

「プライド」(六条御息所)
六条御息所をベテラン女優に見立て、現代に置き換えたお話。
予想通りの展開ですが、こういうパロディは、原典を知っていればこそのおもしろさがありますね。
ゆかり(六条御息所)と光用(光源氏)のメールでのやりとりがあるのですが、メールという連絡手段は当時の文(和歌)と通じる部分があるなぁと思いつつ読みました。

「愛の魔窟」(朧月夜)
こちらもパロディ。
同族会社の二大派閥の画策や、晩餐会、藤見の宴などが繰り広げられるなかで起こる、ドロドロ愛憎劇です。
ドロドロにも関わらず、随分さらりと書いてあります。
設定に無理を感じたのと、もうちょっとひねりがほしかったような気がします。

「ローズバッド」(末摘花)
少し昔のアメリカの田舎町に住む、キャシー(末摘花)とジョン・コービー(光源氏)のお話。
末摘花が滑稽に書かれていると、ちょっと切なくなってしまいます。
なので、こういう結末もよいなぁと、ほっとしました。

「うぬぼれ老女」(源典侍)
源典侍が、光源氏が通っていた頃のことを得意になって語っているので、笑ってしまいます。
でもどこかチャーミングな感じもします。
原典を知った上で読むと、おもしろい話ですね。

「最も愚かで幸せな后の話」(藤壺)
東方の大国のある王朝が舞台になっているお話。
びっくりしてしまう藤壺像です。
「おつむり」が弱いだなんて考えたこともありません(笑)
でも、あの時代のあの立場の女性としては、それがとても幸せなことのように思えますね。
ネーミングもおもしろく、フジツボージャ、ピカリッペ、マルヤサイ博士(ある評論家の名前をもじっています。)、などふざけているのか何なのか(笑)

「ムラサキ」(紫の上)
パロディのなかでは、これが一番よかったです。
マンションの管理人となった男が、ムラサキという植物を育てるのに夢中になるお話。
光る君が紫の上を育てていくことになぞらえているのですが、管理人が他の植物に気をとられるところなど、パロディのよさがでていて、巧いなぁと思いました。
さ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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