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2007/11/07

「がらくた」 江國香織

がらくたがらくた
(2007/05)
江國 香織

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★★★☆☆

江國さんの本は一時期集中的に読んだため、少し食傷気味となり(笑)、しばらく読んでいませんでした。
久々に読んで、やっぱり彼女の書く文章が好きなんだなぁと再認識しました。
言葉の選び方やこだわりを感じる表現が、読んでいて心地よいのです。

そして、この人だったらこういう考え方やそういう話し方をする、という像がしっかり伝わってきます。
江國さんが何かのインタビューで、「この人は○○だ」と書かずに、言葉や行動によって、この人は○○だなぁと読者に感じてもらえるように書きたい、というようなことを話していました。
細部にまでこだわっているからこそ生まれる安定感が好きです。

ストーリーは、相変わらずハイソな空気をまとった、どこか壊れた人たちの恋愛話が主軸です(笑)

柊子と母の桐子は、旅先のリゾート地でもう一組の日本人旅行者の父娘の根岸、美海(ミミと呼ばれている)と知り合う。
帰国後も柊子とミミは桐子を通じて交流を続け、柊子の視点と、ミミの視点の物語が交互に紡がれていきます。

45歳の柊子は夫のことを盲目的に愛していて、すべてのものを与え、与えられることを欲しています。
「人は人を所有できるが、独占することはでき」ず、それでも夫を独占するために望まないものすべてをも(複数の愛人を含めて)所有する以外にないと思っている柊子。
夫に、「遠くに行けば行くほど、本当のことがわかる」からと勧められて、他の男と関係を持ったり、離れて過ごしたりする。
度を失い、渇望し続けることで、お互いへの気持ちを新しく分かり続けようという二人の恋愛は、自虐的で痛々しく、狂気すら感じます。
牛乳を飲ませるシーン、天ぷら屋のやりとりはぞっとします。
ただし、柊子の視点で書かれているので、夫の真意が柊子への愛情ゆえのものかどうかはよく分からないのですが。

一方の15歳のミミは、両親が離婚していて母親と二人暮らし。
帰国子女であり、両親それぞれの恋愛を目の当たりにしていたりという環境で育ってきたせいか、集団に紛れることを恐れて同級生との関わりを拒絶し、学校もあまり行かず、いつも外界を遮断するかのように音楽をきいている。
唯一の友達で、父の仕事を手伝っている31歳の亘くんのことが気になる存在だが、曖昧な関係を失うことを恐れています。
そして、旅行からの帰国後、自分を自分という存在としてだけ見てくれる人たちに強く惹かれることに気付きます。
ネタバレになるので書きませんが、終盤の意味深な会話にはドキリとします。

話の中に柊子の手作りジャムが何度か出てきて、柊子が
「果物は、ほっておけば傷んだり腐ったりするでしょう?でもジャムにすればとっておける。味も香りも濃くなるし、色も濃くなってきれいだしね」
と語り、ミミは生のままのほうが好きだと思うシーンが、印象的です。

刻々と変化するものをとどめることはできない。
それはミミのきらめく様な若さであったり、人の感情であったり、関係性であったり。
「不変を保存することはできない」と思いながらも、自分が大切にしている何かをどうにかしてとどめようとすることへの執着に、はっとさせられます。
たとえそれが、他人の目からは「がらくた」と思われるものだとしても。
江國香織 | Comments(6) | Trackback(0)
Comment
おぉ♪
dual三姉妹母です♪
とってもリアルタイムに今私、江國香織さんを呼んでます。違う本ですが(^^;
この方の文章はとても頭に残りますね。何気ないけど突き刺さるヒトコトがてんこもり!
な気がします!
江國さん
読まれてるんですね☆
「何気ないけど突き刺さる」って本当にそう思います!
続けて読まずに(笑)、これからも読みたい作家さんの一人です。
あはは
今日気づきました。↑のコメント。
「オーイ(^0^)江國さーん」・・・って
呼んでない呼んでない・・・(^^;
読んでました。
大変失礼しましたm(_ _)m
変換
ときどきびっくりするような変換になることがありますよね!
私もしょっちゅうです(笑)
こんにちは(^^)
私もたった今、『がらくた』を読み終えました。他の方はこの本を読んで何を感じるのかなぁと検索して、まりもさんのブログに辿り着きました(^^)まりもさん…すごいですね!このまま後書きに載せてもらいたいぐらい完璧に作品を理解されてるなって思いました(^^)私も江國さんの作品が大好きでよく読んでいるのですがこんなに上手く感想をまとめられないです(>_<)私は読書好きなんですが、自分が大好きな江國さんとよしもとばななさんの作品しか読まなくて(^^;)新しく好きな作家さんを見つけたいなって思ってるところなので、まりもさんのブログ、大いに参考にさせてもらいます\(^^)/♪♪
>かなさん
はじめまして、コメントありがとうございます!
私も感想をまとめるのは苦手なんですよ(しかもこのところさぼり気味です)。
うまく言葉にできなくて、もどかしい思いをすることばかりなのですが、感じたことを忘れないように、どんなに拙くても書きとめるようにしています。
なのでお褒めの言葉をいただけてとても嬉しいです^^

江國さん、最近ご無沙汰しているので、また何か読みたいなと思います。
印象的な文章を書かれる方ですよね^^

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