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2007/11/05

「プリズム」 野中柊

プリズムプリズム
(2007/06)
野中 柊

商品詳細を見る

★★☆☆☆

大切なものほど、こわれやすいのだろうか。たとえば、優しい夫のいる温かい家庭。でも、私の心はもうそこにはない。始まりは理由もなく、きっかけがあっただけ。私は通う。あの人の部屋へ。恋しい人は夫の親友だった……。三十代の女性が迷い込む、愉悦と裏切りの世界。身に覚えがないとは言わせない、スリリングな恋愛小説。
新潮社HPより


恋愛小説は、私のなかで好き嫌いがはっきりしてしまうジャンルでもあります。

野中柊さんの作品は初めて読みました。
許されざる恋の話だからという潔癖な理由ではなく、私好みではありませんでした。

身も蓋もない言い方になりますが、不自由なく余裕のある生活を送っていて幸せなはずの主婦の波子が、夫の親友と不倫の恋におちてしまい、葛藤するお話です。
読んでいて、おまえもか!と何度思ったことでしょうか(笑)
ストーリー自体は平板でゆるやか、ありがちな展開に思えました。

以下、少し辛口な感想です。
ごくまっとうな感性で常識のある人たちが、悪いことだと頭では分かり、後ろめたさを感じながらも恋人と会うことをやめないでいる。
その相手に対する執着というよりも、裏切りの行為そのものにおぼれ、恍惚としているようにも思えます。
その理性と衝動の裏腹な行為への安っぽい葛藤が、随分ともっともらしく体裁よく書かれてあります。
いい歳の格好悪い大人たちが格好をつけている感じが、なんとも滑稽で無様に見え、興ざめでした。
ありがちだからこそ、胸をえぐられるような狂おしさや泥臭さがもっと感じられれば違ったのかもしれませんが、スマートに取り繕っているぶん、中身が薄っぺらで嘘くさく、説得力のない感じがしてしまったのが残念です。

13歳年上のまるで姉のような継母や13歳年下の腹違いの甘えた妹、出て行った母親の気のいい再婚相手や父親の違う好青年の弟といった、2つの家族を持って育ってきた波子。
その少し複雑な家庭環境すらも体よく書かれていて、話のアクセサリーのように感じてしまいました。

よかったところは、人間のずるい部分がよく見えたことです。
黙っていることのずるさ、判断を相手に任せることのずるさ、気付かないふりをすることのずるさ、無邪気なずるさ、いろんな身勝手なずるさが出てきてリアルでした。

この作品の評判は、概ね良いようです。
私がよさをわからないのは、未婚だからということも関係しているのですかね。
また時が経てば、違った読み方ができるようになるのでしょうか。
野中さんのほかの本も、もう一冊は読んでみようと思っています。
な行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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