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2011/10/07

「儚い羊たちの祝宴」  米澤穂信

儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
(2008/11)
米澤 穂信

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★★★☆

いつも引用させてもらってる、「BOOKデータベース」や出版社HPの紹介文が、適切でない気がしたので割愛。
物語はとても面白かったです。

5編の短編集。
「身内に不幸がありまして」
「北の館の罪人」
「山荘秘聞」
「玉野五十鈴の誉れ」
「儚い羊たちの晩餐」

舞台はおそらく少し前の時代で、お嬢様、または使用人の女性が、語り部となって物語が紡がれていきます。
その丁寧な口調が時代がかっていて、でもどこか淡々としていて、残酷な物語に独特の雰囲気を添えます。
米澤穂信さんのミステリー作品はいくつか読んできましたが、こういう話も書くんだなと新鮮でした。

どれも独立した短編として、構成のうまさや結末の締め方が素晴らしかったです。
そしてタイトルの付け方も。
先の4話には「バベルの会」という、ある大学の読書クラブの存在が大なり小なりほのめかされ、最後の「儚い羊たちの晩餐」ではその「バベルの会」の存亡に関わる物語が繰り広げられていて、1冊の本としても完成度が高いと思います。
少し惜しいかなぁと思ったのは、全体的に統一感があるので、多少平板に感じてしまったことでしょうか。

最終話で鞠絵の日記が途中で切れているのは、やはり彼女もその瞬間に羊の仲間入りをしたということを現わしているのでしょうか。
そしてそもそも、これらの物語は彼女たち「夢想家」の虚構なのではないかという疑問も湧きあがってくるのです。

何でも大学には、創作を専らとする文芸倶楽部と、読書を専らとする「バベルの会」があり、お嬢さまは迷わず「バベルの会」を選ばれたそうです。
(「身内に不幸がありまして」より)


「バベルの会」メンバーが創作をしていないと言い切れるでしょうか。
私がそう思いたいだけなのかもしれませんが。
明かされない部分が、想像力をかき立てる物語でした。
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