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2011/09/05

「村田エフェンディ滞土録」 梨木香歩

村田エフェンディ滞土録村田エフェンディ滞土録
(2004/04/27)
梨木 香歩

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★★★☆

町中に響くエザン(祈り)。軽羅をまとう美しい婦人の群れ。異国の若者たちが囲む食卓での語らい。虚をつく鸚鵡の叫び。古代への夢と憧れ。羅馬硝子を掘り当てた高ぶり。守り神同士の勢力争い―スタンブールでの村田の日々は、懐かしくも甘美な青春の光であった。共に過ごした友の、国と国とが戦いを始める、その時までは…。百年前の日本人留学生村田君の土耳古滞在記。
「BOOK」データベースより



またまた梨木さんの本。
先日読んだ「家守綺譚」で、綿貫に土耳古(トルコ)から手紙を送った、学生時代の友人村田の話ということで借りてきました。
エフェンディというのは、おもに学問を修めた人物に対する敬称だそうで、先生という意味にあたるようです。
妙なタイトルだなと思ったのですが、村田先生の土耳古(トルコ)滞在記、といったところでしょうか。

雑多で多種多様な人間、文化、風習、宗教が入り乱れていた、当時のトルコ。
村田は、そこで出会った人たちと、時に反目しながらも交流を深めていきます。

最初のうちこそ順調に楽しく読み進めて行ったんですが、だんだんとペースダウン。
地理的なことから当時の世界情勢、時代背景、文化、宗教等、話が深くなるにつれ、自分の知識が乏しくて理解に時間がかかりました。

私には難しかったけれど、最後までよんでよかった。

ムハンマドが拾ってきた鸚鵡(オウム)が面白い。
どこで覚えたか、「悪いものを喰っただろう」「友よ」「いよいよ革命だ」「繁殖期に入ったのだな」「失敗だ」の5つの言葉を発します。
まるで人間の言葉が分かるかのように、それはもう絶妙なタイミングで。
このあたりのユーモアが、重くなりがちな話の緩衝材となっていました。
さらにいくつか覚えるのですが、それも物語の重要なポイント。
そして物語最後のひと鳴きに涙があふれました。
ことさら、雪の日で三人が童心にかえったように戯れた様子が浮かんできました。

村田と同じ屋敷に下宿しているギリシャ人、ディミィトリスの言葉は、印象的なものが多かったです。

繰り返すのだ。勃興、成長、成熟、爛熟、腐敗、解体。これはどうしようもないのだろうか。


その善き貧しさを、保つことだな。西の豊かで懶惰(らんだ)な退廃の種を、君たちが持ち帰らないようにすることだ、村田。


はたして、今の日本は。
梨木香歩 | Comments(0) | Trackback(0)
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