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2011/07/17

「エルニーニョ」 中島京子

エルニーニョ (100周年書き下ろし)エルニーニョ (100周年書き下ろし)
(2010/12/10)
中島 京子

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★★★★

女子大生・瑛は、恋人から逃れて、南の町のホテルにたどり着いた。そこで、ホテルの部屋の電話機に残されたメッセージを聞く。「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とてもいいところです。ボート乗り場に十時でいいですか?待ってます」そして、瑛とニノは出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。追っ手から追いつめられ、離ればなれになってしまう二人。直木賞受賞第一作。21歳の女子大生・瑛と7歳の少年・ニノ、逃げたくて、会いたい二人の約束の物語。
「BOOK」データベースより



とても面白かったです。
21歳の瑛(テル)は、恋人のニシムラから逃げ、たどりついた南の町のボート乗り場で、7歳のニノと出会う。
そのニノもまた、「灰色」から逃げてきたのだった。

それぞれが抱える事情は、とても重い。
けれど、夏の南国のおおらかさと、そこで出会う人たちの優しさや温かさから、いくぶん軽やかに、そして逃避行物語ならではのテンポのよさで、一気に読めました。

途中途中で折りはさまれる挿話は、物語に深く関わるものもあれば、一見関係のない話のようなものもあって、いくらでも深読みできそうな雰囲気を持っていました。

「歌にはみんな意味があるの。書かれたものはみんなそう。なんにでも、ちゃんと意味があるの。言い換えればね、お嬢さん。歌は、受け取った人のものなの。そこにお嬢さんだけが読めるメッセージを見つけたら、ちゃんと受け取らなくちゃいけないの。逃げるのよ、いい?」


最初のころに出てくる、スーザン・ボイルに似た、ストリートパフォーマーの言葉。
これは、読者に向けられた作者からのメッセージなのかなと思いました。

逃避行には、いつかは終わりが来ると瑛自身も分かっている。
夏休みに、終わりがあるように。
この逃避行のなかで、どんどん「タフ」になり、自立心と行動力を身につけていく瑛。
だけど、まだ幼いニノはどうなってしまうのか。
後半は特にドキドキしながらページをめくりました。

結末。
ちょっとうまく行きすぎかと思うほど、清々しく温かい読後感でした。
夏におすすめの一冊。
中島京子 | Comments(2) | Trackback(1)
Comment
楽しめました。
子どもを描きながら世の中を描写する作者の力量をあらためて感じました。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
>藍色さん
トラックバックありがとうございます。
いいお話でしたね。

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女子大生・瑛(てる)は、恋人から逃れて、南の町のホテルにたどり着いた。そこで、ホテルの部屋の電話機に残されたメッセージを聞く。「とても簡単なのですぐわかります。市電に乗って湖前で降ります。とても...

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