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2010/03/24

「カツラ美容室別室」 山崎ナオコーラ

カツラ美容室別室カツラ美容室別室
(2007/12/07)
山崎 ナオコーラ

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★★★☆

こんな感じは、恋の始まりに似ている。しかし、きっと、実際は違う。カツラをかぶる店長・桂孝蔵の美容院を舞台に淳之介とエリ、梅田さんたちの交流を描く各紙絶賛の最新作。
「BOOK」データベースより



ひと月ほど前に帰省の道中のお供に借りてきた本です。
さらさらと読め、片道の途中で読み終わってしまい、復路が手持ち無沙汰だったのは、こちらの事情です。

Amazonの評価があまり高くなくてびっくりしたのですが、私は面白く読みました。
人と人との微妙な距離感や、言葉にならないような些細で曖昧な心の動きが、さりげなく独特に表現されているお話だと思います。

感想に引用が多くなってしまったので、続きへ。
(ネタバレしています。)

「蓮と蓮根は、別物なんだよ。」
もう一度エリは言った。
別物だとしてもは蓮と蓮根は似ている、とオレは思った。


淳之介とエリが、美術館でモネの絵を見た後での、会話のシーン。
男女間の恋愛と友情も、別物だけど、似ている。
そんなことを感じた場面で、このお話全体を象徴しているかのように思えて印象に残っています。

男女の間にも友情は湧く。沸かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。


読み進めていくと、終盤でこの言葉にたどり着きます。
この言葉に尽きる物語です。
ここまで誘われて、明確に言葉にされて、すとんと心に落ち着きました。
やっぱり上手な作家さんだなぁと思います。

ただ、残念だなと思ったことが一つ。
この物語で語られている一年間のなかで、他の登場人物は前へ進んだり成長したりと、そういう方向が見えたけれど、肝心の淳之介自身に成長が見えなかったこと。
このお話にしまりを感じないのは、そこかなと感じました。
でも、そのゆるさも山崎ナオコーラさんの味、なのかもしれませんね。
や行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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