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2009/12/16

「三面記事小説」 角田光代

三面記事小説三面記事小説
(2007/09)
角田 光代

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★★☆☆

私は殺人を依頼しました。恋人の妻を殺してほしいと頼みました。誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。現実がうみおとした六つの日常のまぼろし。
「BOOK」データベースより



角田光代さんの本は、以前から好んで読んでいました。
「Presents」「この本が、世界に存在することに」「彼女のこんだて帖」など、優しくてとても好きな本があります。
でも反面、うわ、苦手だなって思う本もわりとあります。

本作品は、実際に起きたいくつかの事件の記事を元に、その顛末までを作者の想像でフィクション化した短編集です。
新聞沙汰の事件を取り扱っているので、当然最後には犯罪が起こります。
そんな話を読める気分の時もあれば、受け付けない気分の時もあって、今はどうやら後者だった模様。
評価は気分に左右されますのであしからず。

こういう言い方は不謹慎かもしれないけれど、三面記事で扱われる事件というのは、読む側には記憶に残りにくい些細な事件も多い。
それだけに、身近で簡単に起こりうることとも言えます。
読み始めれば、新聞の片隅に載った小さな記事も、当事者たちからすればとてつもなく大きなドラマであることを認識させられます。
でもこの物語、残念ながら好みではないのです。
日常にひそんだ心の闇と狂気に、薄ら寒くなり、後味の悪さがずっと尾をひいていました。
リアリティを出すためか、あからさまな性描写がいつもより多く感じられ、それも角田さんの好きなタイプの作品とは違います。
また、フィクションとしては展開の意外性も少ないように感じました。
それでも読むのをやめられないのは、角田さんのうまさなのかもしれません。
以下6編収録。

愛の巣
ゆうべの花火
彼方の城
永遠の花園
赤い筆箱
光の川

なかでも、「光の川」は介護の問題から起きた事件の物語で、正面からその現実をつきつけられ、心をえぐられるような絶望感に苛まれました。
まさに明日はわが身。
じりじりと追い詰められていくさまに、読んでいて息が詰まりそうでした。

よかったのは「永遠の花園」。
回想形式になっているので、事件後の主人公たちの様子を知りながら読めます。
少女たちのもつ特有の潔癖さと歪みが、残酷にありありと描かれていました。
角田光代 | Comments(0) | Trackback(0)
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