--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
2009/12/02

「白の鳥と黒の鳥」 いしいしんじ

白の鳥と黒の鳥 (角川文庫)白の鳥と黒の鳥 (角川文庫)
(2008/11/22)
いしい しんじ

商品詳細を見る

★★★★

たとえば某日。ねじまわしに導かれ、太ったひとばかりが住む村に行く。某夜、上野の立ち飲み屋台で国民的作曲家のよた話をきく。またある日、謎の珍味“こぎゅんぱ”に随喜し、獰猛な巨大モミジをみんなで狩りに行く―いしいしんじが聴き取った、ちょっと奇妙な世界の消息をお届けします。生きていることの不思議さと不気味さ、そして愛しさがくるくるときらめく、万華鏡のようなショート・ストーリー集。
「BOOK」データベースより


いしいしんじさんの本は何年か前に「雪屋のロッスさん」を読んで以来です。
正直あまり興味を持たない作家さんだったのだけど、今回この本を読んで印象が変わりました。
とても面白かった。
昔読んでいたらきっと苦手だったはずのとりとめない話が、最近は好物なのです。

このお話にはじんわり心にしみたり愉快になったりする白いイメージの話と、少しぞっとし口の中が苦くなるような黒いイメージの話が、半々くらいに収まっています。
「白の鳥と黒の鳥」という表題は、そんな白黒のコントラストを象徴しているかのようでした。
以下19話収録。

 肉屋おうむ
 しろねずみ
 せみ子の黄色い傘

 カラタチとブルーベル
 薄い金髪のジェーン
 オールド・ブラック・フォスター
 赤と青の双子
 魔法のリコーダー
 紫の化粧
 紅葉狩り顛末

 すげ替えられた顔色
 ボウリングピンの立つ所

 緑春
 わたしの千食一夜-第百二十三回-ひらめ、アオヤギ、こぎゅんぱの巻

 白黒の鳥の声
 おっとせいを飼う
 薄桃色の猫たち

 透明に関する四つの小話
 太ったひとばかりが住んでいる村

題名だけ眺めても詩的雰囲気が漂います。
目次には、このようにタイトルとタイトルの間に一行空白を空けて書かれてある箇所があり、その意味を考えてみたのですが分かりませんでした。
きっとカテゴライズされた意味があるのだろうけど…次回読むときの宿題です。

どれも印象深いですが、特に好きなのは「肉屋おうむ」と「太ったひとばかりが住んでいる村」。
図らずも最初と最後のお話でした。
好きな話でサンドイッチされているので、私の中で好印象間違いなしです(笑)

怖かったのは「すげ替えられた顔色」。

案外、鏡なんて見ていても、誰も自分の本当の顔なんて知らないものじゃないかね。録音した自分の声に、どうしても違和感が残るみたいに。


自分が見るのは鏡に映された顔であって、自分の顔をこの目で見ることはできない。
気付かないうちに撮られた写真などを見て、え、私こんな顔してるの!?とときどきうろたえることがあります。
録音された声も然り。
そういう心許なさを突いたうえに、最後の3行。
ひんやりします。
あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
Comment

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。