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2007/10/07

「ふじこさん」 大島真寿美

ふじこさんふじこさん
(2007/06/21)
大島 真寿美

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★★★☆☆

「ふじこさん」「夕暮れカメラ」「春の手品師」の3編収録。
どれも女の子が主人公で、家族の話が出てき、人との出会いがキーとなっています。
書かれた時期に開きがあるのですが、大島さんの書きたいことは今もずっとつながっているんだなと思いました。

「ふじこさん」
離婚調停中の母の実家での生活、気の休まらない学校や塾。
居心地のいい場所などどこにもなくて、息苦しく希望の持てない毎日を送っている小学校高学年のリサ。
そんなリサが、ふと父のマンションを訪れると、そこには見知らぬ女性、ふじこさんがいた。
ふじこさんとの出会いはリサの鬱屈した心を少しずつ変えていく。
読後感のいい話でした。

本の紹介文で、ふじこさんは「これまでにみたことのない、へんな大人」と書かれていてどんな変わり者なんだろうと思いましたが、そこまで変な人ではないです。
本文にもあるとおり、子供は「生まれてから関わってきた人たちがすべてだと思いこんでいる感性」を持つからこそ、今までに出会わなかったタイプのふじこさんの存在は、リサにとって衝撃だったんですね。
リサを子供扱いしない、素直で素敵な女性として描かれています。

他にもその年齢特有の、大人の事情を感じ取ったり気付いたりできるけれど、気付かない子供のふりをせざるを得ない状況が多々あって、そういうところが細やかに描かれていて、さすがだなと思いました。
このお話のみだと★4つです。

「夕暮れカメラ」
なんといってもおぱあさんが魅力的です。
主人公の女の子とは普通に会話ができるのに、藤岡家に帰ると呆けたようにふるまう。
これって、目的は違うけど、「ふじこさん」のリサの子供のふりにも少し重なるのです。
身近なはずの家族は気付かないでいるところも(笑)

「春の手品師」
大島さんのデビュー作だそうです。
少しこのお話は不思議めいた印象が強かったけど、主人公の家族の話の告白は、丁寧に描かれていました。
表面上は平和で、その実、緊張状態を保った微妙なバランスというのは、「夕暮れカメラ」の藤岡家にも通ずるものがあります。
「子供というのは経験不足を補うためにどこか別の感覚が開いている。」というフレーズが大島さんらしい表現だなと思いました。
あ行その他 | Comments(0) | Trackback(1)
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2007/9/7~2007/9/9離婚寸前の父と母にはさまれ、何も楽しいことのない毎日を送るリサの前に現れたふじこさんは、乱暴できれいで、あっけらかんとしていて、今まで見たことのない、へんな大人だった…。幻のデビュー作を含む、著者会心の短編集。

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