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2009/03/19

「サイゴン・タンゴ・カフェ」 中山可穂

サイゴン・タンゴ・カフェサイゴン・タンゴ・カフェ
(2008/02)
中山 可穂

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★★★★

タンゴとラテンの情熱を背景に、生き死にと恋の狭間で揺れ動く人びとの模様を描いた、著者の新境地5作品。いずれ劣らぬ珠玉作品集です。
角川書店HPより



なんて濃厚で上質な読書の時間だったか。
中山可穂さんの短編集は、短編ゆえの物足りなさなどまったくなく、むしろ個々の濃密さに酔う、贅沢な一冊でした。

「ケッヘル」に続き、中山さん2冊目です。
今度は、文中太字がなくてほっとしました(苦笑)
中山さんは、物語のなかにご本人が透けて見えるようで、まさに身を削るようにして小説を書いているのではないかと、勝手に想像しました。
だからか、読むほうもそれ相応の体力を消耗し、読み終えてからしばらく放心してしまいます。
硬質だけれどなめらかな文体、美しい文章。
でも、その硬質さとは裏腹に、甘美で狂おしい情熱や凄まじい情愛が、熱を帯び、立ち昇っています。

中山さんの本には、女性同士の恋愛がそこかしこに存在し、それはプラトニックなものよりも、性愛を中心としたもので、読むときにどこか後ろ暗くやましいような気持ちにもなります。
でも、男女、女性同士の恋愛にしろ、タンゴやバンドネオンへの傾倒にしろ、その思いの深さと濃さに息を呑み、その物語の深みにはまってのめりこんでしまいます。

以下5編収録。
「現実との三分間」
「フーガと神秘」
「ドブレAの悲しみ」
「バンドネオンを弾く女」
「サイゴン・タンゴ・カフェ」

なかでも表題作「サイゴン・タンゴ・カフェ」は格別でした。
猫の目線で描かれる「ドブレAの悲しみ」、妻と夫の元浮気相手が二人旅をする「バンドネオンを弾く女」も、とても印象深かったです。

なお、アルゼンチンタンゴやバンドネオンがどのようなものか、ぱっと頭に浮かばなかったので、You Tubeで確認。
便利な世の中です(笑)
タンゴは情熱的かつ扇情的で色香漂い、バンドネオンの音色はどこか物悲しかった。
この物語そのもののようでした。
な行その他 | Comments(0) | Trackback(1)
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