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2013/03/20

「針がとぶ Goodbye Porkpie Hat」 吉田篤弘

針がとぶ Goodbye Porkpie Hat針がとぶ Goodbye Porkpie Hat
(2003/12/19)
吉田 篤弘

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★★★★

月面で眠る猫、クロークルームに残る運命のコート、八十日で世界を一周した男と常夜灯に恋をした天使。6月の観覧車、真っ白なジャケット、針がとぶレコード…クラフト・エヴィング商会の物語作家が紡ぐ、月と旅と追憶のストーリー。
「BOOK」データベースより



吉田篤弘さんは「それからはスープのことばかり考えて暮らした」を読んで大好きになった作家さん。
たいていの物語に、分かりやすい面白さや大きな盛り上がりはないけれど、文章と空気感にとにかく惹かれます。

以下7つの物語。

針がとぶ
金曜日の本――『クロークルームからの報告』より
月と6月と観覧車
パスパルトゥ
少しだけ海の見えるところ 1990-1995
路地裏の小さな猿
最後から二番目の晩餐

「パスパルトゥ」を読むまで、それぞれの物語につながりがあると気付きませんでした。
それで最後まで読み終えてから、その糸をたぐるようにすぐ最初から読み直して。
素敵な物語です。

 「ポークパイ・ハットっていうの。いい響きでしょう? かたちはいまひとつだけど、名前がいいわよね。これをかぶると、いつでもその言葉が頭の上にあって、とてもいい気分」
「ポークパイって何? なんのこと?」
「そんなこと知らなくていいのよ、ユイ。言葉だけかぶってれば」

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や行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2013/03/07

「しろいろの街の、その骨の体温の」 村田沙耶香

しろいろの街の、その骨の体温のしろいろの街の、その骨の体温の
(2012/09/20)
村田沙耶香

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★★★☆

季節が変わるごとにたくさんの転校生がやってくるニュータウンで、クラスの立場も性格も、正反体の女の子と男の子が出会う―。学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。
「BOOK」データベースより


ニュータウンに住む結佳たちの、小学4年生の1年間、そして中学2年生の1年間。
ちょっと変わったタイトルですが、結佳の成長が街の開発になぞらえています。

私は振り返り、白い道を見つめた。
「骨みたい」
「え?」
「私たち、骨の中で暮らしてるみたい」
 肘と膝が、また痛んだ。私たちの手足の中にあるような、伸びる骨。まるでその骨の中に紛れ込んだみたいだ。白い世界は少しずつ広がって、完成へと近づいて行く。



小学生の頃は、好き嫌いがはっきりしていて、残酷な一面もあるけど単純で無邪気。
客観視するとこういう感じだったんだろうなと、面白く読めました。

でも中2時代はしんどかった。
クラスメイトの上下関係やつきあい方のスタンス、巻き起こる出来事すべてに生々しい現実味がありました。
鬱屈した思いや自意識が的確に整然と描かれ、出口がないように感じられて息苦しい。
追体験するとともに、自分自身のあまり掘り起こしたくない靄のかかったあれこれが輪郭を帯びてくるようでした。
結佳と同世代の女の子が読んだらどう感じるんだろう。

伊吹みたいにずっと「幸せさん」でいられる人はなかなかいないと思います。
最初の数か月はそうだとしても、同じ教室に1年もいれば周りの状況に次第に勘づくものじゃないかな。
結佳との関係も含め、彼だけ、私のなかでは少しリアリティのない人でした。

終盤は衝撃的。
賛否両論ありそうです。
その部分はともかくとして、力強く前へ進み出そうとするラストに少しほっとしました。
ま行その他 | Comments(2) | Trackback(0)
2013/03/06

「歓喜の仔」 天童荒太



歓喜の仔 上巻歓喜の仔 上巻
(2012/11/22)
天童 荒太

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★★★☆

愛も夢も奪われた。残されたものは、生きのびる意志だけだった。『永遠の仔』『悼む人』を経て、天童文学はここまで進化を遂げた。日本の現実を抉り、混迷する世界と繋がり、私たちの魂を源から震憾させる金字塔、ここに。
「BOOK」データベースより


まだ上巻のみなので、覚え書き。
かなり重たい内容だけど、文章が読みやすくて引き込まれる。
後半、子どもたちに救いがありますように。
下巻の予約をするのが遅れて、今現在58人待ち。
早く続きが読みたいです。
た行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2013/03/06

「その場小説」 いしいしんじ

その場小説その場小説
(2012/11/09)
いしい しんじ

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★★★☆

京都の書店では一冊の本が全裸の女に変わり男と交歓し、東京のお寺ではビルマのジャングルに飛んだ男がトラを見て小便を漏らす。香川の豊島ではじいさんが指でキスを釣り、大分のストリップ劇場では湯の中に男も女も生も死も溶けていく―。豊かで深い空間と時間が立ち上がり、胸の底で眠っていた魂が踊り出す。北海道、長野、茨城、東京、京都、熊本、福岡、大分、沖縄―。出会った人々、空気、時間に任せ、うねり弾む文体で紡がれた特別な小説。
「BOOK」データベースより



自作の小説の朗読を依頼され、既に書き終えた作品に興味を持てないいしいさんが、「その場」で書いたものを朗読する形式を始めたことをきっかけに、依頼があればその手法で即興の小説を書き連ねて読み、その出来上がった54の物語が1冊の本となったそうです。
現実と空想の世界が入り乱れた、突飛で不思議ないしいワールドが全開でした。
震災後に書かれた物語は、それに絡んだものが多かったように思います。
怒りだったり、悲しみだったり、そういう感情が直接的ではなく、にじみ出ていたように感じました。

とにかくすごい才能。
本として読んで面白かったけど、その場でしか味わえない空気や面白さ、臨場感があるんだろうな。
物語が生まれた瞬間に居合わせたお客さんがうらやましいです。
あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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