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2011/11/25

「小暮写眞館」 宮部みゆき

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)小暮写眞館 (書き下ろし100冊)
(2010/05/14)
宮部 みゆき

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★★★☆

700ページを超える長編。
順番がまわってくるのも、読むのも、時間がかかったなぁ。

高校生が主人公で、ノリのいい会話のやりとりに、青少年向けのような軽いタッチの文章。
宮部みゆきさんの著作は、重厚感のある現代小説か、時代小説しか読んでなかったので、新鮮でした。

難を言えば、主要な登場人物の未成年全員が、軒並み真面目で模範的すぎて、こそばゆい感じがしたことでしょうか。
反抗期真っ盛りでもおかしくない時期なのに、しっかりして礼儀正しくて、家族仲が非常によいのです。
彼らが通うのはいい学校のようだし、類は友を呼ぶ、ということで納得しますが。

小暮写眞館というのは、花菱家が買った土地の、現在は空き店舗となっている建物。
花菱の両親は風変わりで、それを取り壊して立て替えるのではなく、多少の改装をしてそのまま住むことにします。
それを写眞館が再開したと誤解されたことにより、主人公の高校生、花菱英一が、一枚の心霊写真の謎を探ることになってしまうところから、物語が始まります。

4章から成りますが、1章から3章まで、それぞれ持ち込まれた写真の謎を解く話が続き、ちょっと飽きてきてペースダウン。
しかし3章あたりから、これまでの伏線を織り交ぜながら、花菱家のこと、不動産屋の垣本順子のことがどんどん深く掘り下げられてくると、俄然物語にのめり込みました。
前半がもう少しコンパクトになってもよい気がしましたが、各々の再生と成長を、取りこぼすことなく丁寧に描くストーリー展開はさすが。

垣本さんの話よりも、花菱母の心の傷に一番感情移入して涙しました。
ピカの思いも、いじらしかった。

テンコの父親が誰に似ているかというたわいのない会話が、最後の最後で効いてきます。
その部分だけで、垣本さんの心も、テンコの心も端的にあらわすとは、うまいなぁ。

クモテツのヒロシが最後に話す駅の話も秀逸。
電車はいっとき、そこに留まって、また発車する。
出会いと別れのつまった場所なんだなと、しみじみ思いました。
読み終えて、菜の花いっぱいのなかを電車が走っている装丁を見返し、清々しさが心のなかに広がりました。
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ま行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2011/11/09

「この庭に―黒いミンクの話」 梨木香歩

この庭に―黒いミンクの話この庭に―黒いミンクの話
(2006/12/13)
梨木 香歩

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★★☆☆

雪が降っている。真夜中に、突然そのことを知った。カーテンを開けると、しんしんと、ただしんしんと、雪が降っていた。梨木香歩、もう一つの「ミケルの庭」の物語。
「BOOK」データベースより


梨木さんの著作は、できればすべて読破したいなと思っています。
無計画さがたたってか、予約本に追われる日々なのですが、合間に小休止を入れたくてこの本を借りてきました。
絵がふんだんに使われていて、児童書のコーナーにあったので、さらっと読めるかと思ったのだけど、うまくつかめない話でした。
梨木さんを小休止に、というのは甘い考えだったなぁと、軽く後悔。

「からくりからくさ」の物語とつながっています。
前にも書いたけれど、あの世界観がちょっと苦手でして。
同じ空気をまとっている感じがしました。
同じくつながっている「りかさん」は好きなのに、どうしてなんだろう。
梨木香歩 | Comments(0) | Trackback(0)
2011/11/08

「箱庭図書館」 乙一

箱庭図書館箱庭図書館
(2011/03/25)
乙一

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★★☆☆

少年が小説家になった理由。コンビニ強盗との奇妙な共同作業。ふたりぼっちの文芸部員の青くてイタいやりとり。謎の鍵にあう鍵穴をさがす冒険。ふと迷いこんだ子どもたちだけの夜の王国。雪の上の靴跡からはじまる不思議な出会い。集英社WEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた6つの物語。
「BOOK」データベースより


一時期、集中的に読んでいた乙一さんの著作を読むのは何年ぶりでしょうか。
読んでいて、あれ?乙一さんってこんな感じだったかなと、何度も思いました。
そして、短編それぞれに顔色がかなり違うのに、話同士がリンクしているというちぐはぐした感じ。

巻末の「あとがき、あるいは『箱庭図書館』ができるまで」を読んで、大いに納得。
読者から没原稿を投稿してもらって、それを乙一さんがリメイクして仕上げた作品集とのこと。
いわゆる企画モノだったんですね。
基本的には、原作のテイストを残して作ってあるようなので、乙一さん作だというのに違和感を感じるのは当然のことだったんだな。
企画としては面白いのかもしれないけど、一冊の本として純粋に読んだ時には、強引さや不自然さを感じますね。
でもそれにたいして、乙一さん自身があとがきで「無理がある」と数回書いてるので、思わず笑ってしまいました。
ちなみにタイトル「箱庭図書館」もツイッターで募集して決めたそうです。
楽しんでるなぁ(笑)

以下、6編収録。
「小説家のつくり方」
「コンビニ日和!」
「青春絶縁体」
「ワンダーランド」
「王国の旗」
「ホワイト・ステップ」

あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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