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2009/09/28

「ひとり日和」 青山七恵

ひとり日和ひとり日和
(2007/02/16)
青山 七恵

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★★☆☆

“人っていやね…人は去って行くからね”。20歳の知寿と71歳の吟子さんが暮らした春夏秋冬。第136回芥川賞受賞作。
「BOOK」データベースより



非常に読みやすく、読むのが遅い私でも数時間で読み切りました。
はじめに読んだときは、丁寧に読み取ろうという気持ちが少し自分に欠けていたのかも。
あっという間に読了してしまって、なんだか軽い読み物だったなぁと思いつつ、別の本を読み始めたのですが、ブログに感想を書くためにまた本書をぱらぱらめくっていると、違った表情が見えてきました。
簡単で分かりやすい言葉を使って、読みやすく書いてあるけど、とても練られた物語なのかなと。
スケートのそれぞれの立ち位置の対比だとか、盗み癖の意味だとか、電車という動いていくものとずっとそこにある家とのコントラストだとか、描写で言外に匂わせているものが多い気がします。
変わるもの、変わらないもの、変えるもの、変えないもの、変えられないもの。
これは文学的物語なのかもしれません。
ただ、面白かった!と手放しで言えるかというと…印象に残りにくい話でもあります。

以下ネタバレ箇所があります。
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あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2009/09/24

「代筆屋」 辻仁成

代筆屋 (幻冬舎文庫)代筆屋 (幻冬舎文庫)
(2008/04)
辻 仁成

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★★☆☆

何かを待つ、というのは大事なことだ。待っているものが来ると信じているあいだは、不思議なほどに力が湧く。手紙を待つ、という行為には生きる希望が潜んでいる。手紙を書くことには力がいるが、手紙によって勇気が生まれる。私はその力を信じてみたかった―。手紙の代筆で人助けをする、売れない作家の日々。人生観を変えるハートフルストーリー。
「BOOK」データベースより


紹介文を読んで読んでみたくなり、久々に辻さんの本を手に取りました。
ご自身の実話がモチーフになっているのか、それともその体で書かれているのかよく分からなかったのですが、ある作家が売れない時代に代筆屋として稼いでいた頃の、10のお話です。

代筆の手紙は、ちょっと独りよがりだと思うものが多かったかな。
なかでは、第8章『八十八歳の私より』の最後の手紙が、違和感なくよかったと思います。
でも、できればそれを相手には渡さないでいてほしいな、とも思いました。

手紙の代筆を請け負うなかで、人生相談さながらに、依頼主の考えを諭したり、後押ししたりと、いい方向へ導いていく話も多数あります。
代筆という仕事の出来そのものよりも、依頼主の心情に揺さぶりを起こすことのほうが、私には大きなことのように思えました。
だから個人的には、結局その代筆の手紙を渡さなかったパターンの話のほうが好きです。

というのも、読み物としては面白かったのだけど、手紙を代筆するということそのものになんだか疑問を感じてしまい、そこにひっかかりを感じたまま読み終えてしまったからです。
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た行その他 | Comments(2) | Trackback(0)
2009/09/21

「いつか王子駅で」 堀江敏幸

いつか王子駅で (新潮文庫)いつか王子駅で (新潮文庫)
(2006/08)
堀江 敏幸

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★★☆☆

背中に昇り龍を背負う印鑑職人の正吉さんと、偶然に知り合った時間給講師の私。大切な人に印鑑を届けるといったきり姿を消した正吉さんと、私が最後に言葉を交わした居酒屋には、土産のカステラの箱が置き忘れたままになっていた…。古書、童話、そして昭和の名馬たち。時のはざまに埋もれた愛すべき光景を回想しながら、路面電車の走る下町の生活を情感込めて描く長編小説。
「BOOK」データベースより



紹介文を読んで、勝手に「時間給講師の私」を女性だと思って読み始めたのですが、男性が主人公でした。
堀江敏幸さんは以前に「めぐらし屋」を読んで以来、2冊目。
帰省の道中で読みました。

特徴といったら、一文の長さでしょうか。
「めぐらし屋」のときはそんな印象がなかったのですが、そうだったのかな?
読みやすいかどうかは別として、長い文をねじれないように紡げるというのは、頭のいい証拠、なんだと思います。
でも、芥川賞作家さんの書かれる文って、個人的には難解だったり意味不明だったりで、読みにくいことが多くて構えてしまうのですが、堀江敏幸さんは、比較的とっつきやすい文章の方です(失礼ですみません 笑)

とりたてて大きな事件も変化も起きない、淡々とした日常の出来事を綴っているのだけど、どこか引き込まれます。
登場人物は、強烈な個性を持っているわけではないのに、さりげなく気になる存在感を持っています。
競走馬の話は知らないことだし、王子という土地にもまったく馴染みがないのですが、ところどころで登場する古書についてはとても興味深く読みました。

くすりと笑ってしまう箇所がいくつかあります。
一番は、リサイクルショップで買った自転車を乗り回した後の、店主とのやりとり。
詳しくは書きませんが、あのオチはよかったです。

他にも、
「たとえば生き方を左右するような思考の足首が、私に備わっているだろうか? 珈琲を口にしながらそれとなく足もとに視線を落とすと、椅子に座っているせいでわずかに丈が短くなったズボンからはみ出している踝のうえの、靴下のワンポイントマークが左右ちがっていることに気づく。」
この、真面目に考えをめぐらしていた「私」が、揃いの靴下をはかずに出歩いてしまったという、ひどく情けないことに気づくところなど、意表をつかれました(笑)

主人公の「私」が、作者本人と重なっているように感じました。
数々の賞を受賞し、現在は大学教授という堅いイメージの堀江敏幸さんですが、実はとても面白い方なのかもなぁと勝手に想像しています。
は行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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