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2007/11/30

11月の読了本

「プリズム」 野中柊 ★★☆☆☆
「がらくた」 江國香織 ★★★☆☆
「失われた町」 三崎亜記 ★★★☆☆
「家日和」 奥田英朗 ★★★☆☆
「図書館戦争」 有川浩 ★★★★☆
「年に一度、の二人」 永井するみ ★★★☆☆
「読み違え源氏物語」 清水義範 ★★★☆☆
「犬と私の10の約束」 川口晴 ★★★☆☆
「長崎くんの指」 東直子 ★★★★☆
「かってまま」 諸田玲子 ★★★☆☆
「ジェネラル・ルージュの凱旋」 海堂尊 ★★★★☆
「うさぎパン」 瀧羽麻子 ★★★☆☆
「千年樹」 荻原浩 ★★★★☆

計13冊でした。
好みの本が多くて、充実していました。
そのわりには読書が進まなかったのですが(笑)

ずっと読みたかった「図書館戦争」の予約がようやくまわってきて嬉しかったです。
読み出すと止まらなかったのが「図書館戦争」と「ジェネラル・ルージュの凱旋」で、余韻をひきずったのは「長崎くんの指」と「千年樹」でした。
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各月の読了本 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/29

「千年樹」 荻原浩

千年樹千年樹
(2007/03)
荻原 浩

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★★★★☆

樹齢千年にもなろうかという、くすの木。
それほどの巨木には、何かが宿っているかのような荘厳さがあり、知らずと畏敬の念を抱きます。
そんな一本の大樹のもとで繰り広げられた、人間たちの生き様を綴った壮大な物語です。

くすの木の萌芽から最期までに渡る8編の連作短編で成り、それぞれの編の中でも、時間を飛び越えた異なる時代の物語が交互に綴られます。
その二つの時代が因縁のように交錯し、繰り返される人間の営みの連鎖に畏れを感じました。
また編どうしでも、現代にそこに住む登場人物のつながりがあって、人との関わりの横糸と、時代を通しての縦糸とが絡み合う、重厚感のある物語でした。

人の思いや願いは、時代を経てなお共通しているんだなと今さらのように思い知ります。
古い時代の話の多くは死に直面しているため凄惨で重く、現代の話の抱える痛みには心をえぐられ、あらがうことのできない奔流に飲み込まれるような戦慄を覚えます。
また、圧倒的な存在感を持つ巨木を前に、人の存在の小ささを知り、打ちのめされました。

樹木には、自らの遺伝子を存続するために木の実の量をコントロールする力があるという話も驚きでした。
新たな芽を咲かせるために小動物に木の実を食べさせるのですが、小動物が少ないと木の実を増やし、種まで食べつくされるほど増えると木の実を減らすというのです。
「人間は植物が好きだというが、たぶん植物は人間を嫌いだろう。きっと、いつかは人間の数もコントロールしようとたくらんでいるんだ。」
このさらりと書かれた言葉に、樹木の底知れない意思を想像して、圧倒され、よりどころのない不安を一層あおられました。
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あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/25

「うさぎパン」 瀧羽麻子

うさぎパン (ダ・ヴィンチブックス)うさぎパン (ダ・ヴィンチブックス)
(2007/08/01)
瀧羽麻子

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 ★★★☆☆

優子は、継母で仲良しのミドリさんと二人暮らし。
実の母聡子は優子が三歳のときに病死しており、父親はロンドンへ単身赴任中です。
女子中学校を卒業し、初の共学の高校への入学でどぎまぎするのだけど、自己紹介の場面で富田くんという男の子に助け舟を出され、パン好きという共通点で意気投合して仲良くなります。
クラスメイトの早紀や、家庭教師の美和ちゃんとも仲良くなり、優子の新しい世界が広がっていきます。
淡々としながらも柔らかい印象の筆致で、ゆるやかに進むお話です。
優子と富田くんのほのぼのとした会話や、初々しい心の動きが、読んでいて微笑ましかったです。

ふんわりとゆるく、好きな雰囲気なのですが、手放しでこのお話を好きとは言えないというか。
話の中盤になって、美和ちゃんに実母の聡子が乗り移るあたりから、あれ?そういう展開なの?と面食らってしまいました。

以下、若干ネタバレあり。
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た行その他 | Comments(2) | Trackback(0)
2007/11/23

「ジェネラル・ルージュの凱旋」 海堂尊

ジェネラル・ルージュの凱旋ジェネラル・ルージュの凱旋
(2007/04/07)
海堂 尊

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★★★★☆

桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか…。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。
「BOOK」データベースより


「チーム・バチスタの栄光」を超えるくらいおもしろかったです!
「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行で繰り広げられている話だったんですね。
前作を読んでいないと不明な部分が気になったと思うので、それだけでも、いまいちだった「ナイチンゲール」を読んでいてよかったです(笑)  

経営側からみた採算性と現場の実際との軋轢と破綻、革新と保守という倫理の懸案など、今回も医療が抱える重い問題を内包しつつ、テンポよく鮮やかに物語が進んでいくバランスと緩急が嬉しいです。
それぞれの思惑が交錯し、根回しや駆け引きが布石となっていて、終盤の勢いある展開とスピード感に一気に惹きこまれました。

会議室での舌戦の応酬が見ものです。
濃いキャラクターが生き生きと立ち回っています。
現場第一、的確かつ迅速に患者を救い、自分の信条を信じて突き進む、高潔で颯爽とした速水。
頑なに形式や規則にこだわり、安全な位置から机上の論理をふりかざして、持って回った嫌味やペラペラと小理屈をこねる、粘着質な沼田。
速水がヒーロー然としていて、憎まれ役沼田が相手だからこそ、勧善懲悪のような図式が成り立って、やりこめたときの爽快感がありますね。
この図式はエンターテイメントならではです。
振り回されつつも、おさめるところはおさめる田口先生の活躍も嬉しいところです。
やっぱりこうでなくっちゃ!と思いました(笑)

ただ、恋愛要素の結末に関して、納得がいかないんですけれども(笑)
あと、「ジェネラル・ルージュ」の由来ですが、想像すると怖いです。 
どうか実写化しないでください(笑)
か行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/21

「かってまま」 諸田玲子

かってままかってまま
(2007/06)
諸田 玲子

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★★★☆☆

諸田さんの本は、初読みです。
そして時代小説も気付けば久しぶり。
江戸の町に暮らす人たちの、人情と哀愁を堪能できた連作短編集です。

一話目「かげっぽち」では、夫の丈吉、赤ん坊のおさいと暮らす伊夜という女性が主人公となっています。
おさいは、伊夜の実の子ではなく、伊夜が侍女として仕えていた旗本の娘、奈美江の不義の子。
奈美江とその相手の立場を守るため、伊予は身代わりとなり、丈吉とともにおさいを育てています。

奈美江との偶然の再会の際、下駄のやりとりのシーンでは、伊夜の気持ちを思って過剰に感情移入していきました。
その時代の、二人の関係からすれば当然のことなのでしょうが、悔しくて悔しくて(笑)

その後起きた江戸の火事をきっかけに、それぞれの運命は大きくねじれていきます。

二話目以降は、おさいが本当の父母を探し、ある目的を遂げる物語へとなっていきます。
ただ、主人公はおさいではなく、その時代に生きる女性たちというのが面白いところ。
各話ごとの主人公と関わりを持ちながら、徐々に成長したおさいが登場し、彼女がたどる波乱の人生が断片的に見て取れるようになっています。

また各話の主人公たちが、おさいと出会うことによって転機を迎え、一歩前に進むところも、読んでいてほっとしたり、小気味よかったり。
「賽子(さいころ)のさい、采配のさい、宰領のさい、裁決のさい、幸先のさい・・・・・・。さいは才でもあり災でもあって、善し悪しはともかく、小さな体には人の宿命さえ変えてしまう力が秘められているように見えた。」
おさいの名前が表すように、出会った人たちの心に一陣の風を吹かせては去っていくところが、鮮やかに際立ちます。

誰もが振り返るような美貌と人を惹きつける魅力を持ち、利発で芯の通ったおさい。
成長するにつれ、生きる術としてしたたかさや大胆さ、たくましさを身につけた彼女自身は、幸せに生きられるのか。
最後の二話では、おさいの本懐がクローズアップされます。

最終話「けれん」では、おさいをモデルに脚本を書いた、狂言作者の鶴屋南北が主人公となっています。
けれん味という言葉は耳にしますが、もともとは歌舞伎用語で、仕掛けを使って観客の意表をつき驚かせる演出を言うそうです。
「この世はけれんに満ちている。」
という一文はこの物語をもよく表していて、話全体もまとまりがよく、巧いなぁと思いました。
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ま行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/19

「長崎くんの指」 東直子

長崎くんの指長崎くんの指
(2006/07/20)
東 直子

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★★★★☆

人寂しい山中にある、遊園地「コキリコ・ピクニックランド」。
さびれて閑散とした遊園地というのは、寂しく、どこかノスタルジックな感じがします。
人生に疲れたり、行き場を失ったりした人たちが、その場所に導かれ、吸い寄せられるようにやってくるお話です。
ふわふわと不思議で淡い世界に、一緒に迷い込んだような気分になります。

東さんは歌人だそうです。
だからでしょうか、穏やかでさりげなく、あっさりしているけれどやさしさの感じられる言葉選びに、魅力を感じました。
ごく限られた文字数で世界観を表現し、繰り広げるために、一語一語の言葉をとても大切にされているからなんだろうなぁと思いました(短歌は未読ですが)。

「今、まさに、この時、つまり、青春、なんだな、と思った。」
というような読点の打ち方や、園長の訥々としたしゃべり方も独特で、リズムの感じられる文もおもしろいです。

以下、主人公がそれぞれかわる6つの本編と、「夕暮れのひなたの国」を収録。
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は行その他 | Comments(2) | Trackback(1)
2007/11/18

「犬と私の10の約束」 川口晴

犬と私の10の約束犬と私の10の約束
(2007/07/28)
川口 晴

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★★★☆☆

話題になっているこの本ですが、フィクションのお話だと思っていませんでした。
図書館で小説の新刊コーナーに置いてあったのを見つけて、小説?と思い、借りてきました。
人気の本がすぐ借りられること自体めずらしいので、きっと入荷したばかりだったんでしょうね。

「あかり。犬を飼うときはね、犬と10の約束をしないといけないのよ」
母に言われ、犬のソックスと約束を交わした中学生のあかり。
家に一人きりでいることの多いあかりにとって、ソックスはなくてはならないとても大切な存在でした。
でも、年月が流れ、あかりに他に夢中になることができたとき、ソックスとの約束を守ることができるのか・・・というお話です。

「犬の十戒」というのは、どこかで見た記憶があるのですが、この話を読んでそれが胸に迫ってきました。
わが身を振り返るポイントで振り返り、泣けるポイントでうまく泣かされ、まんまと作意にはまってしまった感があります(笑)

著者の川口晴さんは映画プロデューサーで脚本家とのことで、「クイール」や「子ぎつねヘレン」などを手がけてらっしゃる方だそうです。
残念ながら、私は川口さんの関わっている映画を観ていないのですが(苦笑)
この「犬と私の10の約束」も映画化されるようですね。
うがった見方をすれば、映画化を見越して書かれたのではないかと思うようなお話でもありました。

お話自体に目新しさはないのですが、その分テーマがはっきりしていて、ストーリーが非常に分かりやすく、きちんとポイントが押さえられています。
だからこそ、自分に置き換えて考える余地があって、犬だけでなく飼う生き物に対して多くの人が感じる罪悪感や後悔、改めての愛情を強く刺激されます。
涙が出ました。
その涙が、ストーリーによるものと、引き起こされた自分自身の経験と、ないまぜになっているのは言うまでもありません。
このお話でいう、9番目の約束にドキッとします。
私は犬は飼ったことがなくて、将来飼おうと思っていましたが、軽はずみな気持ちでは飼えないなと改めて思いました。
当たり前のことですけど。

小説で読むより、映画で観たかった気がします。(しつこいですね 笑)
か行その他 | Comments(2) | Trackback(0)
2007/11/17

「読み違え源氏物語」 清水義範

読み違え源氏物語読み違え源氏物語
(2007/02)
清水 義範

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★★★☆☆

中高生のときに漫画「あさきゆめみし」を読んで以来、現代語訳版をざっと読み、解釈の講義を受けたり研究授業に参加したりと、学生時代にはそれなりに興味を持っていた「源氏物語」。(でも、古文はあまり得意科目ではありませんでしたが 笑)

今となっては子細を忘れてしまうほど遠い存在になっていますが、「読み違え源氏物語」というタイトルに惹かれて、この本を読んでみました。
とても面白い趣向で、かなり斬新なものもありました。
ちなみに清水義範さんの本は初読みです。

学校で習うので問題ないかもしれませんが、私のように細部があやふや、または全く知らないという場合は、原典の主要人物がどういう人となりなのかを確認し、簡単にあらすじだけでも追っておいたほうが、楽しめると思います。
それを踏まえて読めば、源氏物語や古典が得意でない人も、このエピソードや人物が出てくる巻だけは読んでみようかな、なんて気分になるかもしれませんね。
私自身、また原典を読みたくなりました(笑)
以下、8編収録です。
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さ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/14

「年に一度、の二人」 永井するみ

年に一度、の二人年に一度、の二人
(2007/03/07)
永井 するみ

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★★★☆☆

永井するみさんの本を初めて読みました。(←これ、しょっちゅう書いている気がします 笑)
印象としては、巧いなぁという感じ。
このお話自体は読後感が爽快とまではいかず、もやもやが残るのですが、それでも永井さんの本をこれからも読んでみたいなと思わせる魅力を感じました。

「もしも、どちらか一方が現れなかったら、それで終わり。」
お互いに相手に無理をさせず、邪魔をしない取り決めのもと、一年後の同じ日に同じ場所で会うことを約束した、男女二組とそれを取り巻く人たちの話です。

「シャドウ」
夫との間に大きな溝ができていて、孤独を感じていた沙和子が、出張で訪れた香港。
ハッピーバレー競馬場にて、門倉という昔仕事で関わった男性に偶然の再会したことをきっかけに、一緒にレースを観戦し、食事を共にする。
そして香港在住の門倉は、来年十月の第三水曜日に同じ場所で会おうと約束する。

それから二人は、年に一度の秘密の逢瀬を重ねること数年。
一人息子の義務教育が終わった今年、自分はどうしたいのか、沙和子が門倉に思いを馳せるところで終わります。

尻切れトンボだなぁと思いつつ、別の男女の話へ。

「コンスタレーション」
OLの夏凛が、旅行で訪れた香港。
そこでたまたま出会った五歳年下でアメリカの大学院に通う学生、朗に半ば強引に連れられ、ハッピーバレー競馬場へ行くことに。
骨董市に行ったり食事をしたり、競馬を観戦したりと一緒に短い時を過ごす。
「実家の近くにいるのが居心地がいいから、離れたくないだけだったりして」
「夏凛さんは余力を持ってる。そんな気がする」
と朗に言われた言葉に、揺さぶられます。
一年後の十月の第三水曜日にまたここで会おうという朗の言葉に、帰国後も心を翻弄される夏凛。

その後親しくなった飯島に安心と安定を感じ、彼となら理想の家族を築けそうだと思いながらも、朗のことが頭から離れません。
飯島から旅行に誘われますが、その日は朗と約束した十月の第三水曜日で・・・。

「グリーンダイヤモンド」
「シャドウ」「コンスタレーション」のそれぞれの登場人物に加え、ハッピーバレー競馬場で働くサムの話を絡めて、物語は十月の第三水曜日を迎えます。
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な行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/12

「図書館戦争」 有川浩

図書館戦争図書館戦争
(2006/02)
有川 浩

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★★★★☆

本好きで図書館にお世話になりっぱなしの私としては、このタイトルで読まないわけにはいきません(笑)
やっとやっと、図書館から予約が回ってきて読むことができました!
気がついたら、もうシリーズ完結巻「図書館革命」がでているではありませんか(苦笑)

―― 公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として 「メディア良化法」 が成立・施行された現代。
超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館! 狩られる本を、明日を守れ!
敵は合法国家機関。 相手にとって、不足なし。 正義の味方、図書館を駆ける!

笠原郁、熱血バカ。
堂上篤、怒れるチビ。
小牧幹久、笑う正論。
手塚光、頑な少年。
柴崎麻子、情報屋。
玄田竜介、喧嘩屋中年。

以上六名が戦う 『図書館戦争』、ここに開戦!
メディアワークスHPより


設定のあり得なさはともかく、文体のあまりの軽さに、最初は一歩引いて読んでいたんですが、次第にそんなことも忘れて物語にどんどんのめり込んでいきました。
ページをめくる手がとまらないとは、このことです。
深く考えてはいけません、コミカルな流れに逆らわず身をゆだね、甘さに思う存分にやければいいのです(笑)
自分にそう言い聞かせるまでもなく、分かりやすいタイプの登場人物のテンポのよい会話がだんだんツボにはまってきました。

「塩の街」を読んだときもそうでしたが、有川さんの本を外で読むことはできそうにないです、真顔を保てなくて(笑)
こうなって欲しい、という期待通りにベタに事が進むのも気持ちよく、そうこなくっちゃね!と一人で悶絶(笑)
マスコミや世論のもつ力の怖さや、本などによる青少年への影響の有無など、現実で取り沙汰されていることも組み込まれ、軽いけど浅くはないエンターテイメントとして、そして作者がいうところの「月9連ドラ風」の王道ラブコメとして、おおいに興奮して楽しめました。

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有川浩 | Comments(2) | Trackback(0)
2007/11/10

「家日和」 奥田英朗

家日和家日和
(2007/04)
奥田 英朗

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★★★☆☆

相変わらず奥田さんはおもしろい!
個人的に、小気味いいものを読みたい気分だったので、まさにうってつけでした。
軽いタッチでとっても読みやすいのだけど、痛いところをつかれたり、毒のある揶揄に苦笑いしたり、楽しめた1冊です。

6つの短編のどれもが、夫か妻が主人公で、家のなかや家族をテーマとしています。
100の家があれば当然100通りの家のストーリーがあるわけで、そういうとっても身近な題材を、ユーモアにデフォルメしたお話たち。
人にはそれぞれこだわりがあったり、没頭したり夢中になったりする物事があります。
それが端的に現れるのがやっぱり家の中。
はた目には滑稽にみえたり不思議にみえたりすることでも、それがそれぞれの幸せのかたちだったりするんですね。
作者の鋭い観察眼が伺えます。

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あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/09

「失われた町」 三崎亜記

失われた町失われた町
(2006/11)
三崎 亜記

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★★★☆☆

30年に一度起こる町の「消滅」。忽然と「失われる」住民たち。喪失を抱えて「日常」を生きる残された人々の悲しみ、そして願いとは。大切な誰かを失った者。帰るべき場所を失った者。「消滅」によって人生を狂わされた人々が、運命に導かれるように「失われた町」月ケ瀬に集う。消滅を食い止めることはできるのか?悲しみを乗り越えることはできるのか?時を超えた人と人のつながりを描く、最新長編900枚。
「BOOK」データベースより


プロローグとエピローグに折り挟まれて、7つのエピソードから成る長編。

冒頭8ページのプロローグを読んだ段階で、長丁場が予想されました(笑)
特に説明のないままに独特の設定ありきで話が始まるので、特殊な言葉が意味不明のままで読み進めていくことに耐えなければいけません。

読むうちに、近未来日本が舞台かと思っていたのを、現代日本によく似ている別世界が舞台だと頭の中を修正。
本編に入ってからも「汚染」「抑制」「居留地」「ゾーン」「本体と別体」などの独特の言葉が出てくるたびに浮かぶ頭の中のクエスチョンマークに、適度に折り合いをつけて読む必要があります。
のちに説明されるごとに、頭の中を整理し想像力を働かせて、自分なりに世界観を再構築し、あれはこういう意味だったのかと確認する作業でしばしば中断されます。

世界観の大半が掴めてきて、ようやく感情移入できるようになりました。
登場人物それぞれの立場でエピソードが書かれ、それが折り重なっていくので、一定の側面に対する多方向からのアプローチには厚みがあり、読み応えがあります。
ただ、うまくいきすぎなところもあり、登場人物どうしの関係がつながりすぎている気もします。
また、向いている方向がみな同じ(途中で挫折したり、利己的だったり悪意があったりする人物があまりに少ない)なので、偏りがあるかなとは思いましたが、この話に他の側面からのエピソードが入ると異質な感じがしてしまうかもしれないし、これでよかったのかもしれません。

エピローグまで読み終えて、時の流れを感じ、伝わる思い、受け継がれる願いに心を打たれました。
思わず冒頭の「プロローグ、そしてエピローグ」を読み返しました。
今度は不完全な余韻にも気持ちよく浸れました。
再読すれば、前半のエピソードももっと違った感慨を持って読めるような気がする作品です。
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三崎亜紀 | Comments(0) | Trackback(0)
2007/11/07

「がらくた」 江國香織

がらくたがらくた
(2007/05)
江國 香織

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★★★☆☆

江國さんの本は一時期集中的に読んだため、少し食傷気味となり(笑)、しばらく読んでいませんでした。
久々に読んで、やっぱり彼女の書く文章が好きなんだなぁと再認識しました。
言葉の選び方やこだわりを感じる表現が、読んでいて心地よいのです。

そして、この人だったらこういう考え方やそういう話し方をする、という像がしっかり伝わってきます。
江國さんが何かのインタビューで、「この人は○○だ」と書かずに、言葉や行動によって、この人は○○だなぁと読者に感じてもらえるように書きたい、というようなことを話していました。
細部にまでこだわっているからこそ生まれる安定感が好きです。

ストーリーは、相変わらずハイソな空気をまとった、どこか壊れた人たちの恋愛話が主軸です(笑)

柊子と母の桐子は、旅先のリゾート地でもう一組の日本人旅行者の父娘の根岸、美海(ミミと呼ばれている)と知り合う。
帰国後も柊子とミミは桐子を通じて交流を続け、柊子の視点と、ミミの視点の物語が交互に紡がれていきます。

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江國香織 | Comments(6) | Trackback(0)
2007/11/05

「プリズム」 野中柊

プリズムプリズム
(2007/06)
野中 柊

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★★☆☆☆

大切なものほど、こわれやすいのだろうか。たとえば、優しい夫のいる温かい家庭。でも、私の心はもうそこにはない。始まりは理由もなく、きっかけがあっただけ。私は通う。あの人の部屋へ。恋しい人は夫の親友だった……。三十代の女性が迷い込む、愉悦と裏切りの世界。身に覚えがないとは言わせない、スリリングな恋愛小説。
新潮社HPより


恋愛小説は、私のなかで好き嫌いがはっきりしてしまうジャンルでもあります。

野中柊さんの作品は初めて読みました。
許されざる恋の話だからという潔癖な理由ではなく、私好みではありませんでした。

身も蓋もない言い方になりますが、不自由なく余裕のある生活を送っていて幸せなはずの主婦の波子が、夫の親友と不倫の恋におちてしまい、葛藤するお話です。
読んでいて、おまえもか!と何度思ったことでしょうか(笑)
ストーリー自体は平板でゆるやか、ありがちな展開に思えました。

以下、少し辛口な感想です。
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な行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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