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2014/02/25

「神去なあなあ夜話」 三浦しをん

神去なあなあ夜話神去なあなあ夜話
(2012/11/28)
三浦 しをん

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★★★☆

三重県の山奥で、林業に取り組む平野勇気、二十歳。神去村の起源、住人の暮らし、もちろん恋にも、ぐいぐい迫ります。お仕事小説の旗手が贈る、林業エンタテインメント小説の傑作。
「BOOK」データベースより



「神去なあなあ日常」の続編。
全編通して勇気のパソコン手記による語りなのが、ノリが軽すぎて正直好みじゃないのです。(シリアスな内容だとさすがにトーンダウンするかな)
でもストーリーは面白い。
前作では勇気の目を通して林業の難しさと面白さを垣間見、最後に祭りで盛り上がりましたが、今回は村での暮らしぶりと人間ドラマが中心で登場人物の輪郭が引き立ってくるようでした。
神去村の過去、勇気の恋の苦悩など「夜話」らしい内容に、じんときたりほっこりしたり。
山太がかわいいです。
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三浦しをん | Comments(1) | Trackback(1)
2014/01/17

「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」 万城目学

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
(2010/01/27)
万城目 学

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★★★☆

かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌ夫人は外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。
「BOOK」データベースより



児童文学と言ってよいと思う、子供にも読みやすい文体。
だけど大人が読んでも楽しめる、ちょっと不思議で温かな物語。
万城目さんて、こういう作品も書くんだなと新たな発見でした。
ま行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2013/11/19

「火山のふもとで」 松家仁之

火山のふもとで火山のふもとで
(2012/09/28)
松家 仁之

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★★★★

「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。―物語は、1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。「ぼく」が入所した村井設計事務所は、夏になると、軽井沢の別荘地に事務所機能を移転するのが慣わしだった。所長は、大戦前のアメリカでフランク・ロイド・ライトに師事し、時代に左右されない質実でうつくしい建物を生みだしてきた寡黙な老建築家。秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向けて、所員たちの仕事は佳境を迎え、その一方、先生の姪と「ぼく」とのひそやかな恋が、ただいちどの夏に刻まれてゆく―。小説を読むよろこびがひとつひとつのディテールに満ちあふれた、類まれなデビュー長篇。
「BOOK」データベースより


目に浮かぶような細やかな描写、穏やかで淡々とした記述のなかに、感情が見え隠れする抑制の効いた文章。
「ぼく」の語りが次第に心地よくなり、その世界にすっと入り込んでいきました。

使う人のために意匠を凝らした緻密な設計と建築。
所員の丁寧な仕事ぶりと、先生の含蓄ある言葉、夏の家での共同生活。
夏から秋にかけての美しい自然と、賑やかな時代を経て陰り始めた別荘地のコミュニティ。
鉛筆を削るサリサリという音、コゲラのかそけき気配、明るく乾いたひなたの匂いのするスコーン、暖炉のあたたかな火、可憐なヴィオラ・トリコロール。

時の流れは人も建物も少しずつ変えていく。
それは当たり前のことではあるけれど、切ない。
麻里子のカセットテープと先生の手紙に、静かに泣きました。

縄文時代の竪穴住居の、内と外の話が心に残っています。
建築の面白さを知った物語でした。

うしろの壁際には中腰で肩を寄せあう所員が並んでいる。中央に座った先生とぼくの眼鏡には、ろうそくの光が写り込んでいる。先生と並んで写っている写真は、あとになってみればこの一枚だけだった。フラッシュを焚かずに撮った粒子のあらい写真はやがて、所員の誰にとっても、言葉にならない懐かしさをかきたてるものとなった。


ま行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2013/10/09

「ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件」 宮部みゆき

ソロモンの偽証 第I部 事件ソロモンの偽証 第I部 事件
(2012/08/23)
宮部 みゆき

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★★★☆

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした―。新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。
「BOOK」データベースより



700ページを超える長編でしたが、ぐいぐい引き込まれてわりとスムーズに読み切れました。
続きが気になるところですが、図書館の予約状況を見ると、第Ⅱ部がまわってくるのは1年後くらいになりそうで…内容を忘れてしまいそうです。

柏木卓也と塾が同じだったという少年、今後のストーリーにどう絡んでいくのか気になります。
ま行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2013/07/08

「神去なあなあ日常」 三浦しをん

神去なあなあ日常神去なあなあ日常
(2009/05/15)
三浦 しをん

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★★★☆

美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。
「BOOK」データベースより



しをんさん作品にしては、面白いと感じるまでに時間がかかりました。
語り口のせいか、林業という内容によるものか。
主人公の勇気がパソコンに書いた手記を読む形の物語です。

はじめは林業に興味がなく戸惑うばかりの勇気が、徐々にその仕事と神去村での生活に馴染んでいくと同時に、私の気持ちもリンクして、いつの間にか楽しんで読んでいました。

神様にまつわるいくつかの出来事が興味深かったです。
人智を超えた神秘を感じる、奥深い山の中の世界。
とくに祭りのシーンは迫力があって圧巻でした。
三浦しをん | Comments(0) | Trackback(0)
2013/03/07

「しろいろの街の、その骨の体温の」 村田沙耶香

しろいろの街の、その骨の体温のしろいろの街の、その骨の体温の
(2012/09/20)
村田沙耶香

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★★★☆

季節が変わるごとにたくさんの転校生がやってくるニュータウンで、クラスの立場も性格も、正反体の女の子と男の子が出会う―。学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。
「BOOK」データベースより


ニュータウンに住む結佳たちの、小学4年生の1年間、そして中学2年生の1年間。
ちょっと変わったタイトルですが、結佳の成長が街の開発になぞらえています。

私は振り返り、白い道を見つめた。
「骨みたい」
「え?」
「私たち、骨の中で暮らしてるみたい」
 肘と膝が、また痛んだ。私たちの手足の中にあるような、伸びる骨。まるでその骨の中に紛れ込んだみたいだ。白い世界は少しずつ広がって、完成へと近づいて行く。



小学生の頃は、好き嫌いがはっきりしていて、残酷な一面もあるけど単純で無邪気。
客観視するとこういう感じだったんだろうなと、面白く読めました。

でも中2時代はしんどかった。
クラスメイトの上下関係やつきあい方のスタンス、巻き起こる出来事すべてに生々しい現実味がありました。
鬱屈した思いや自意識が的確に整然と描かれ、出口がないように感じられて息苦しい。
追体験するとともに、自分自身のあまり掘り起こしたくない靄のかかったあれこれが輪郭を帯びてくるようでした。
結佳と同世代の女の子が読んだらどう感じるんだろう。

伊吹みたいにずっと「幸せさん」でいられる人はなかなかいないと思います。
最初の数か月はそうだとしても、同じ教室に1年もいれば周りの状況に次第に勘づくものじゃないかな。
結佳との関係も含め、彼だけ、私のなかでは少しリアリティのない人でした。

終盤は衝撃的。
賛否両論ありそうです。
その部分はともかくとして、力強く前へ進み出そうとするラストに少しほっとしました。
ま行その他 | Comments(2) | Trackback(0)
2013/02/05

「この女」 森絵都

この女この女
(2011/05/11)
森 絵都

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★★★☆

甲坂礼司、釜ヶ崎で働く青年。二谷結子を主人公に小説を書いてくれと頼まれる。二谷結子、二谷啓太の妻。神戸・三宮のホテルに一人で住み、つかみ所がない女。二谷啓太、チープ・ルネッサンスを標榜するホテルチェーンのオーナー。小説の依頼主。大輔、甲坂礼司に小説書きのバイト話を持ってきた大学生。礼司に神戸の住まいを提供。松ちゃん、釜ヶ崎の名物男。礼司が頼りにし、なにかと相談するおっちゃん。敦、二谷結子の弟。興信所経営。結子のためなら何でもする直情型の気のいい男。震災前夜、神戸と大阪を舞台に繰り広げられる冒険恋愛小説。3年ぶり、著者の新境地を開く渾身の長篇書き下ろし。
「BOOK」データベースより



一年ほど前に、読み切れずに返却期限がきてしまった本ですが、もう一度借りてきました。
関西弁の記述が読み慣れなかったのと、土地勘のないせいだと思っていましたが、前回が嘘のようにすらすらと読めたので、読むタイミングの問題だったのかもしれません。

当時の社会的な出来事をあやふやながらも思い出しながら、読みました。
設定が少し強引かなと思うところもありましたが、これは香坂礼司の「小説」なんだ、と割り切れば面白く感じます。
その「小説」を読み終えてから、冒頭の手紙の部分を読み返すと、そういうことかと腑に落ちる部分があり。
でもまだよく分からない部分もあり。
信じたい、「執念に賭けたい」思いです。
不思議な余韻の残るお話でした。
ま行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2012/11/06

「雨の塔」 宮木あや子

雨の塔雨の塔
(2007/11/26)
宮木 あや子

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★★★☆

資産家の娘だけが入学できるこの学校では、衣服も食べ物も思いのまま。だが自由と情報は与えられず、少女たちは閉ざされた世界で、家のための“駒”として使われる日を待つばかり。そんな彼女たちの間にいつしか芽生えたのは、愛情、関心、嫉妬、執着。そして一通の手紙が四人の運命を変える―。
「BOOK」データベースより



学校という体裁で作られた世間から隔絶した場所で、籠の中の鳥のように過ごす少女たち。
自らを縛る出自や未来への諦めと絶望、それぞれが抱える痛みや心の闇に、息詰まる思いでした。
そんな彼女たちが心の隙間を埋め、精神的な支えを得ようともがく姿がまた痛々しく、悲しい。
でもそこに描かれている様は優美で硬質で、日本のどこかでありながら別世界の物語を読んでいるような。

「花宵道中」以来の宮木あや子さんでした。
いまひとつ物足りない感じも受けたかな、設定は面白いのだけど。
なんだかんだで、矢咲に一番狂気を感じました。
ま行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
2012/10/10

「星間商事株式会社社史編纂室」 三浦しをん

星間商事株式会社社史編纂室星間商事株式会社社史編纂室
(2009/07/11)
三浦 しをん

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★★★☆

川田幸代。29歳。会社員。腐女子。社の秘められた過去に挑む―。本間課長は言った。「社史編纂室でも、同人誌を作ろう!」その真意はいかに?風雲急を告げる社史編纂室。恋の行方と友情の行方は、五里霧中。さらには、コミケで人気の幸代の小説も、混乱に混乱を!?これでいいのか?わたしの人生。
「BOOK」データベースより



「舟を編む」と近しいものをどことなく感じる話だけど、こちらのほうがエンタメ色が強いかな。
しをんさん、ノリノリで書いたのかなー(笑)というはっちゃけぶりでした。
気負わずに読めて面白かったです。
三浦しをん | Comments(0) | Trackback(0)
2012/07/24

「ペンギン・ハイウェイ」 森見登美彦

ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
(2010/05/29)
森見 登美彦

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★★★☆

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。この事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。未知と出会うことの驚きに満ちた長編小説。
角川グループHPより



かなり前に読んで返却してしまったので、うろ覚えで覚え書き。

今まで読んできた森見さんの作風とは、まったく違う雰囲気の物語でした。
ジャンルとしては、ファンタジーになるのかな。
主人公の少年が書いたノートを読む形で進んでいきます。
子どもを主人公にした作品らしく、仲間との友情や繊細な心の機微、成長の様が丁寧に描かれていました。
主人公がかなり頭がよくてちょっと小生意気だったり、気は弱いけど心やさしい友達や、憎めないいじめっこや、ちょっと変わったお姉さん等が一味効いていて、登場人物のキャラクターも面白かったです。

これはこれで楽しめたけれど、いつもの森見さんの感じを期待していたので、当てが外れたかな。
ラストが切なかったです。
森見登美彦 | Comments(0) | Trackback(0)
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