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2014/01/17

「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」 万城目学

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
(2010/01/27)
万城目 学

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★★★☆

かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌ夫人は外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。
「BOOK」データベースより



児童文学と言ってよいと思う、子供にも読みやすい文体。
だけど大人が読んでも楽しめる、ちょっと不思議で温かな物語。
万城目さんて、こういう作品も書くんだなと新たな発見でした。
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2013/11/19

「火山のふもとで」 松家仁之

火山のふもとで火山のふもとで
(2012/09/28)
松家 仁之

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★★★★

「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。―物語は、1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。「ぼく」が入所した村井設計事務所は、夏になると、軽井沢の別荘地に事務所機能を移転するのが慣わしだった。所長は、大戦前のアメリカでフランク・ロイド・ライトに師事し、時代に左右されない質実でうつくしい建物を生みだしてきた寡黙な老建築家。秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向けて、所員たちの仕事は佳境を迎え、その一方、先生の姪と「ぼく」とのひそやかな恋が、ただいちどの夏に刻まれてゆく―。小説を読むよろこびがひとつひとつのディテールに満ちあふれた、類まれなデビュー長篇。
「BOOK」データベースより


目に浮かぶような細やかな描写、穏やかで淡々とした記述のなかに、感情が見え隠れする抑制の効いた文章。
「ぼく」の語りが次第に心地よくなり、その世界にすっと入り込んでいきました。

使う人のために意匠を凝らした緻密な設計と建築。
所員の丁寧な仕事ぶりと、先生の含蓄ある言葉、夏の家での共同生活。
夏から秋にかけての美しい自然と、賑やかな時代を経て陰り始めた別荘地のコミュニティ。
鉛筆を削るサリサリという音、コゲラのかそけき気配、明るく乾いたひなたの匂いのするスコーン、暖炉のあたたかな火、可憐なヴィオラ・トリコロール。

時の流れは人も建物も少しずつ変えていく。
それは当たり前のことではあるけれど、切ない。
麻里子のカセットテープと先生の手紙に、静かに泣きました。

縄文時代の竪穴住居の、内と外の話が心に残っています。
建築の面白さを知った物語でした。

うしろの壁際には中腰で肩を寄せあう所員が並んでいる。中央に座った先生とぼくの眼鏡には、ろうそくの光が写り込んでいる。先生と並んで写っている写真は、あとになってみればこの一枚だけだった。フラッシュを焚かずに撮った粒子のあらい写真はやがて、所員の誰にとっても、言葉にならない懐かしさをかきたてるものとなった。


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2013/10/09

「ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件」 宮部みゆき

ソロモンの偽証 第I部 事件ソロモンの偽証 第I部 事件
(2012/08/23)
宮部 みゆき

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★★★☆

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした―。新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。
「BOOK」データベースより



700ページを超える長編でしたが、ぐいぐい引き込まれてわりとスムーズに読み切れました。
続きが気になるところですが、図書館の予約状況を見ると、第Ⅱ部がまわってくるのは1年後くらいになりそうで…内容を忘れてしまいそうです。

柏木卓也と塾が同じだったという少年、今後のストーリーにどう絡んでいくのか気になります。
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2013/03/07

「しろいろの街の、その骨の体温の」 村田沙耶香

しろいろの街の、その骨の体温のしろいろの街の、その骨の体温の
(2012/09/20)
村田沙耶香

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★★★☆

季節が変わるごとにたくさんの転校生がやってくるニュータウンで、クラスの立場も性格も、正反体の女の子と男の子が出会う―。学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。
「BOOK」データベースより


ニュータウンに住む結佳たちの、小学4年生の1年間、そして中学2年生の1年間。
ちょっと変わったタイトルですが、結佳の成長が街の開発になぞらえています。

私は振り返り、白い道を見つめた。
「骨みたい」
「え?」
「私たち、骨の中で暮らしてるみたい」
 肘と膝が、また痛んだ。私たちの手足の中にあるような、伸びる骨。まるでその骨の中に紛れ込んだみたいだ。白い世界は少しずつ広がって、完成へと近づいて行く。



小学生の頃は、好き嫌いがはっきりしていて、残酷な一面もあるけど単純で無邪気。
客観視するとこういう感じだったんだろうなと、面白く読めました。

でも中2時代はしんどかった。
クラスメイトの上下関係やつきあい方のスタンス、巻き起こる出来事すべてに生々しい現実味がありました。
鬱屈した思いや自意識が的確に整然と描かれ、出口がないように感じられて息苦しい。
追体験するとともに、自分自身のあまり掘り起こしたくない靄のかかったあれこれが輪郭を帯びてくるようでした。
結佳と同世代の女の子が読んだらどう感じるんだろう。

伊吹みたいにずっと「幸せさん」でいられる人はなかなかいないと思います。
最初の数か月はそうだとしても、同じ教室に1年もいれば周りの状況に次第に勘づくものじゃないかな。
結佳との関係も含め、彼だけ、私のなかでは少しリアリティのない人でした。

終盤は衝撃的。
賛否両論ありそうです。
その部分はともかくとして、力強く前へ進み出そうとするラストに少しほっとしました。
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2013/02/05

「この女」 森絵都

この女この女
(2011/05/11)
森 絵都

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★★★☆

甲坂礼司、釜ヶ崎で働く青年。二谷結子を主人公に小説を書いてくれと頼まれる。二谷結子、二谷啓太の妻。神戸・三宮のホテルに一人で住み、つかみ所がない女。二谷啓太、チープ・ルネッサンスを標榜するホテルチェーンのオーナー。小説の依頼主。大輔、甲坂礼司に小説書きのバイト話を持ってきた大学生。礼司に神戸の住まいを提供。松ちゃん、釜ヶ崎の名物男。礼司が頼りにし、なにかと相談するおっちゃん。敦、二谷結子の弟。興信所経営。結子のためなら何でもする直情型の気のいい男。震災前夜、神戸と大阪を舞台に繰り広げられる冒険恋愛小説。3年ぶり、著者の新境地を開く渾身の長篇書き下ろし。
「BOOK」データベースより



一年ほど前に、読み切れずに返却期限がきてしまった本ですが、もう一度借りてきました。
関西弁の記述が読み慣れなかったのと、土地勘のないせいだと思っていましたが、前回が嘘のようにすらすらと読めたので、読むタイミングの問題だったのかもしれません。

当時の社会的な出来事をあやふやながらも思い出しながら、読みました。
設定が少し強引かなと思うところもありましたが、これは香坂礼司の「小説」なんだ、と割り切れば面白く感じます。
その「小説」を読み終えてから、冒頭の手紙の部分を読み返すと、そういうことかと腑に落ちる部分があり。
でもまだよく分からない部分もあり。
信じたい、「執念に賭けたい」思いです。
不思議な余韻の残るお話でした。
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2012/11/06

「雨の塔」 宮木あや子

雨の塔雨の塔
(2007/11/26)
宮木 あや子

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★★★☆

資産家の娘だけが入学できるこの学校では、衣服も食べ物も思いのまま。だが自由と情報は与えられず、少女たちは閉ざされた世界で、家のための“駒”として使われる日を待つばかり。そんな彼女たちの間にいつしか芽生えたのは、愛情、関心、嫉妬、執着。そして一通の手紙が四人の運命を変える―。
「BOOK」データベースより



学校という体裁で作られた世間から隔絶した場所で、籠の中の鳥のように過ごす少女たち。
自らを縛る出自や未来への諦めと絶望、それぞれが抱える痛みや心の闇に、息詰まる思いでした。
そんな彼女たちが心の隙間を埋め、精神的な支えを得ようともがく姿がまた痛々しく、悲しい。
でもそこに描かれている様は優美で硬質で、日本のどこかでありながら別世界の物語を読んでいるような。

「花宵道中」以来の宮木あや子さんでした。
いまひとつ物足りない感じも受けたかな、設定は面白いのだけど。
なんだかんだで、矢咲に一番狂気を感じました。
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2012/02/27

「異国のおじさんを伴う」 森絵都

異国のおじさんを伴う異国のおじさんを伴う
(2011/10)
森 絵都

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★★☆☆

思わぬ幸せも、不意の落とし穴もこの道の先に待っている。どこから読んでも、何度でも、豊かに広がる10の物語。誰もが迎える、人生の特別な一瞬を、鮮やかにとらえる森絵都ワールド。
「BOOK」データベースより



予約の本で後がつかえていたので、先週読み終えて、返却しました。
森絵都さんの著作は好きなものが多いのですが、これはあまりぴんと来なかったかな。
さらさらと読みやすかったですが、題名を見ても、もうすでに記憶の薄いものが半数です。

以下10編収録。

藤巻さんの道
夜の空隙を埋める
クリスマスイブを三日後に控えた日曜の……
クジラ見
竜宮
思い出ぴろり
ラストシーン
桂川里香子、危機一髪
母の北上
異国のおじさんを伴う
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2011/12/26

「虹の岬の喫茶店」 森沢明夫

虹の岬の喫茶店虹の岬の喫茶店
(2011/06)
森沢 明夫

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★★☆☆

トンネルを抜けたら、ガードレールの切れ目をすぐ左折。雑草の生える荒地を進むと、小さな岬の先端に、ふいに喫茶店が現れる。そこには、とびきりおいしいコーヒーとお客さんの人生にそっと寄り添うような音楽を選曲してくれるおばあさんがいた。彼女は一人で喫茶店を切り盛りしながら、ときおり窓から海を眺め、何かを待ち続けていた。その喫茶店に引き寄せられるように集まる人々―妻をなくしたばかりの夫と幼い娘、卒業後の進路に悩む男子大学生、やむにやまれぬ事情で喫茶店へ盗みに入った泥棒など―心に傷を抱えた彼らの人生は、その喫茶店とおばあさんとの出逢いで、変化し始める。心がやわらかさを取り戻す、感涙の長編小説。
「BOOK」データベースより



書店で見かけて気になり、図書館で予約した本。
やっと回ってきたのが師走の忙しい時で、期限があるのでバタバタ読みました。

やさしくて温かくて、素敵なお話です。
悦子さんの魔法がかかった、おいしいコーヒーを飲んでみたくなります。
バナナアイスを食べてみたい。
そして、私にぴったりの音楽をかけて欲しくなります。

ただ、文章のテイストが私好みじゃなかったんです、うまく言えないけど。
読みやすいけど、すっと心に馴染まない感じがずっとありました。
「胸裡」という言葉が何度も出てきて気になったりだとか。
それぞれ章ごとに主人公が変わるのだけど、全員の語り口が似通って感じてしまったりだとか。
題材も素敵で好きだし、評判のいい本だったので、残念。

映像で見てみたいような気がします。
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2011/11/25

「小暮写眞館」 宮部みゆき

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)小暮写眞館 (書き下ろし100冊)
(2010/05/14)
宮部 みゆき

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★★★☆

700ページを超える長編。
順番がまわってくるのも、読むのも、時間がかかったなぁ。

高校生が主人公で、ノリのいい会話のやりとりに、青少年向けのような軽いタッチの文章。
宮部みゆきさんの著作は、重厚感のある現代小説か、時代小説しか読んでなかったので、新鮮でした。

難を言えば、主要な登場人物の未成年全員が、軒並み真面目で模範的すぎて、こそばゆい感じがしたことでしょうか。
反抗期真っ盛りでもおかしくない時期なのに、しっかりして礼儀正しくて、家族仲が非常によいのです。
彼らが通うのはいい学校のようだし、類は友を呼ぶ、ということで納得しますが。

小暮写眞館というのは、花菱家が買った土地の、現在は空き店舗となっている建物。
花菱の両親は風変わりで、それを取り壊して立て替えるのではなく、多少の改装をしてそのまま住むことにします。
それを写眞館が再開したと誤解されたことにより、主人公の高校生、花菱英一が、一枚の心霊写真の謎を探ることになってしまうところから、物語が始まります。

4章から成りますが、1章から3章まで、それぞれ持ち込まれた写真の謎を解く話が続き、ちょっと飽きてきてペースダウン。
しかし3章あたりから、これまでの伏線を織り交ぜながら、花菱家のこと、不動産屋の垣本順子のことがどんどん深く掘り下げられてくると、俄然物語にのめり込みました。
前半がもう少しコンパクトになってもよい気がしましたが、各々の再生と成長を、取りこぼすことなく丁寧に描くストーリー展開はさすが。

垣本さんの話よりも、花菱母の心の傷に一番感情移入して涙しました。
ピカの思いも、いじらしかった。

テンコの父親が誰に似ているかというたわいのない会話が、最後の最後で効いてきます。
その部分だけで、垣本さんの心も、テンコの心も端的にあらわすとは、うまいなぁ。

クモテツのヒロシが最後に話す駅の話も秀逸。
電車はいっとき、そこに留まって、また発車する。
出会いと別れのつまった場所なんだなと、しみじみ思いました。
読み終えて、菜の花いっぱいのなかを電車が走っている装丁を見返し、清々しさが心のなかに広がりました。
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2011/10/15

「夜行観覧車」 湊かなえ

夜行観覧車夜行観覧車
(2010/06/02)
湊 かなえ

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★★★☆

父親が被害者で母親が加害者―。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。
「BOOK」データベースより



文庫本の「告白」を読んでから他の著作にも興味が湧き、この本を借りようと予約したら、予約数がすでに3桁になっていました。
一年以上待って、回ってきた本です。

物語は、高級住宅地ひばりヶ丘に住む遠藤家と高橋家を軸に、隣家の小島さと子の語りを折り挟んで進んでいきます。

遠藤家はひばりヶ丘一小さな一軒家に住み、父親が工務店勤め、母親がスーパーのパート勤め。
一人娘の彩花は中学受験に失敗して以来ひどく荒れていて、癇癪を起こして大声を上げたり、物を投げたりする音が、隣近所まで響くほどだった。

対するは遠藤家の向かいに住む、立派な家屋の高橋家。
父親は医者で、母親はおっとりとした奥様、子どもたちはみな優秀。
殺人事件は、そんな高橋家のほうで起きた……。

人間の醜さや卑しさ、身勝手さが、時に狂気とまで思えるほどに顕著に描かれていました。
読み始めてすぐ、彩花のふてぶてしい態度や言動にものすごく腹立たしさを覚え、それに翻弄され機嫌をとる母親、傍観を決めこむ父親にも苛立ちました。
遠藤家だけでなく、のちに出てくる明里や、小島さと子も何か欠落しているように思えます。

でも彼らは、取り立てて悪人なのでも病んでいるのでもなく、ごく普通の人間が普通に生活しているなかでのありふれた出来事の一端。
そのリアルさが余計に気持ち悪いのです。
読みながら、心が消耗していくのが分かるのだけど、読みやすく飽きさせない展開と、視点の切り替えの面白さで話に引き込まれていきました。

事件の真相として、日々鬱積していたものが小さなきっかけによって決壊する、というのはよく語られていることです。
ただ、こうして事件の起きてしまった家と、起きそうだったけれど起きなかった家を対比して読んでいると、個人の感情の制御以上に、他人の偶然の言動で背中を押されてしまったり、逆に踏み止まったり、どちらにも転ぶことがあるのだと怖さを感じました。

暗澹たる気持ちで読んでいたら、最終的になんだか丸くまとまったのが意外というか、少し強引というか。
もちろん、救いがない悪意に満ちた終わり方をのぞんでいたわけではないですが、結末に衝撃があるのかなと予想していました。
(一度も出てこなかった小島さと子の夫が、実は小島さと子に殺されているのが最後の最後で分かる…のような展開かと勝手に邪推していた自分が恥ずかしい…。)
そんなわけで、若干拍子抜けした気持ちを引きずりながらも、読後感は悪くないお話でした。
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