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2013/12/12

「裁縫師」 小池昌代

裁縫師裁縫師
(2007/06)
小池 昌代

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★★★☆

広大なお屋敷の鬱蒼とした庭の離れに、アトリエを構えるひとりの裁縫師。彼は、富豪のお抱えとも、息子だとも、愛人だとも噂されていた。ある日、9歳の「わたし」は、自分の服をあつらえてもらうために、母に連れられて裁縫師のもとを訪れる。採寸され、数日後にひとりアトリエを訪れた「わたし」だったが…。禁断の恋に身を任せる幼女を描いた「裁縫師」ほか、詩情とエロティシズムあふれる新感覚短篇5篇を収めた珠玉の小説集。
「BOOK」データベースより



5編収録。
「裁縫師」
なめらかな筆致にうっとりした。
一番好きな作品。

「女神」
かぜだまりという土地に越した男性の話。
男性視点からか、やや明け透けな語り口。

「空港」
叔父を迎えに空港へ行く状況、動物園の回想、遅れる飛行機、事の顛末、少しユーモラス。
「一年の終わりは、『魔の時』である。」
待つ、待つ、待つ。

「左腕」
乗っていたタクシーが事故に遭い、そこから物語がぐるぐると巡る。
着地点がどこに向かうのか、と思っていたら最後の一行でぞっとし、ある意味納得。

「野ばら」
驚くほどの食欲、先の無い小指、ピアノ「野ばらに寄す」、おめでとうの理解ができない美知子。
光窓くんはどうしているだろう。切ない。



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2013/10/14

「感光生活」 小池昌代

感光生活感光生活
(2004/06)
小池 昌代

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★★★☆

「わたし」という謎の中心に生きて在る感触へむけて、深く降りてゆく15の短篇。
「BOOK」データベースより



覚え書き。

隣人鍋
島と鳥と女
青いインク
ゴッド・オブ・チャンス
石を愛でる人
げんじつ荘
祭りの日
ハウル・ザ・バー
風のリボン
鳩の影
蜂蜜びんの重み
クラスメイト
中川鮒蔵商店
ミミとわたし
船上レストラン
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2012/12/03

「サヴァイヴ」 近藤史恵

サヴァイヴサヴァイヴ
(2011/06)
近藤 史恵

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★★★☆

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。
「BOOK」データベースより



「エデン」に引き続き「サヴァイヴ」を読みました。
白石、伊庭、赤城の視点から描かれたスピンオフ的な6つの短編。

老ビプネンの腹の中
スピードの果て
プロトンの中の孤独
レミング
ゴールよりももっと遠く
トウラーダ

本編主役の白石のその後と、気になっていた伊庭の物語も面白かったですが、メインは本編の過去が知れる、赤城から見た石尾。
石尾のその後を知っているがゆえの感慨がありました。
やはり「サクリファイス」を再読しておいてよかったです。

最後はもうちょっと後味のよい物語で終わってもらえたらよかったのにな。
やはりスポーツものは清々しい気持ちで読み終えたいです。
というわけで、気持ちよく読み終われる続編を希望!
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2012/11/02

「エデン」 近藤史恵

エデンエデン
(2010/03)
近藤 史恵

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★★★☆

あれから三年―。白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。そしてまた惨劇が…。ここは本当に「楽園」なのだろうか?過酷なレースを走り抜けた白石誓が見出した結論とは。
「BOOK」データベースより



先日「サクリファイス」を再読したので、忘れないうちに続編の「エデン」を読みました。
舞台を本場ヨーロッパに移し、競技自体の面白さがぐっと際立った内容でした。
競技の過酷さはもちろん、頭脳戦、心理戦、紳士協定、チームワークといった自転車競技ならではの駆け引き、プロスポーツとしての厳しい現実など、いろんな側面を垣間見ることができて純粋に楽しめました。
だからこそ、ミステリーとしての顛末が悲しかったな。
タイトル剥奪、永久追放と最近話題になっていた実在の有名選手とも重なって、さらに現実味が増しました。
そういう黒い部分もスポーツにはつきものなのかもしれないけれど、残念な気持ちです。
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2012/08/20

「サクリファイス」 近藤史恵

サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)
(2010/01/28)
近藤 史恵

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★★★☆

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた! 大藪春彦賞受賞作。
(新潮社HPより)


再読。
オリンピックシーズンの最中、スポーツがテーマになっている読みたいなと思っていたところに図書館で目に入ってきたので借りてきました。
以前読んだのは、4、5年前になるでしょうか。
そのうち続編の「エデン」も読みたいなと思っていたので、いい復習にもなりました。
ミステリーの要素も大きいですが、自転車競技の魅力をたくさん教えてもらった一冊です。
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2011/06/30

「モノレールねこ」 加納朋子

モノレールねこ (文春文庫)モノレールねこ (文春文庫)
(2009/06/10)
加納 朋子

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★★☆☆


小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが…。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現われる、大切な人との絆を描いた8編。
「BOOK」データベースより



この中の多くの話には、死が身近に存在します。
でもどれもとても温かく、ほっと優しい気持ちになれる短編集でした。
ただ、初めて読む作家さんだったんですが、とても個人的な好みの問題で、なんとなく語り口のテイストが肌に合わないなぁと感じてしまったのも事実です。
物語自体よりも、そちらのほうが気になってしまって、半歩ほど引いて読んでしまったのは少しもったいなかったかな。


以下8編収録。
・モノレールねこ
・パズルの中の犬
・マイ・フーリッシュ・アンクル
・シンデレラのお城
・セイムタイム・ネクストイヤー
・ちょうちょう
・ポトスの樹
・バルタン最期の日

特に印象に残っているのは、「パズルの中の犬」と「バルタン最期の日」です。

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2010/11/18

「お縫い子テルミー」 栗田有起

お縫い子テルミーお縫い子テルミー
(2004/02/26)
栗田 有起

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★★★☆

彼がいなければ世界はないのに、どうして彼のいない現実を生きなければいけないのだろう(『お縫い子テルミー』)。アルバイトをして、ひと夏の経験を買った。ぼくは来週の木曜日、十一歳になる(『ABARE・DAICO』)。誰かに明日を翻弄されても、自分らしく強く生きてゆく。心優しき人々に出逢える、二つの物語。
「BOOK」データベースより



栗田由起さんの著作を読むのは、たしかこれで3冊目。
文章の空気感が好きな作家さんです。

表題作の「お縫い子テルミー」は、流しの仕立て屋で生計を立てる鈴木照美が、歌舞伎町の店で出会ったシナイちゃんに恋をして…という物語。
テルミーと呼ばれる彼女、読み進めればなんと16歳という。
あっけらかんと書かれているけれど、実は特異な人生を歩んできています。

毎日枕が替わっても気にならないし、どんな枕をあてがわれても平気だ。こんな枕で眠りたいと、理想の枕を想像したためしもない。それは自分の枕でないと寝られないことにくらべれば、自由であるような気もする。でも自由とは、自分を縛る鎖を選ぶことだと、聞いたこともある。


根無し草のテルミーが、ファミレスで自分のために布を裁ち、力強く前へ進んでいくラストに、少しほっとしました。


もう1編の「ABARE・DAICO」は、表題作よりも好みの話で、★4つ。
小学校五年生、小松誠二の夏休み中の出来事を描いています。
年相応の純真さと、年齢以上にしっかりした健気さが同居した少年の、微笑ましくいじらしい物語。
ラストのほうの展開には思わず笑ってしまったけど、肩の力がすとんと抜けた。
読後感のよいお話でした。
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2010/11/06

「怪訝山」 小池昌代

怪訝山怪訝山
(2010/04/27)
小池 昌代

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★★★☆

「遠慮はいらないよ。わけいって、わけいって、深く入っておいで」
土と草の匂い。横溢する生と性の渦。女という山へ、深く深く潜り込み、男は、安息の一瞬に沈み込む。
豊穣なる自然と性への回帰。都市生活者の再生を謳う物語。
出版社HPより



返却してしまったので、簡単に覚え書きを。

最近、とても気になっている作家さんのひとり、小池昌代さん。
詩人でもある小池さんの著作は、文章に力があるというか、言葉に心をつかまれる感じがするのです。
何気ない些末な物事さえ、彼女の手にかかれば素晴らしい詩になるんじゃないかなと思わされます。

表題作「怪訝山」は、とても不思議な話でした。
直前に小川洋子さんの「夜明けの淵をさ迷う人々」を読んでいたこともあり、その世界観と少し重なる部分もあって、続けて読んでしまったのはちょっと勿体なかったかな。
(続編以外は、傾向の近い本をなるべく続けて読まないようにしてるので。)
なまめかしくグロテスクで、不可解さに飲み込まれていくような感覚を、もっともっと新鮮に味わいたかった。

インパクトでは圧倒的に「怪訝山」が勝つのだけど、3つの収録作品のなかでは私は「木を取る人」が一番好きです。
なんとデビュー作らしい。
脱帽です。
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2010/09/17

「わたしを離さないで」 カズオイシグロ

わたしを離さないでわたしを離さないで
(2006/04/22)
カズオ イシグロ

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★★★☆

実は翻訳本を読むのは苦手です。
中学生くらいまではよく読んでいたのだけど、突然アレルギー反応を起こすようになって。
上手く言えないのだけど、ただ感覚的に、肌に合わないって感じるようになったのです。

こちらの「わたしを離さないで」は翻訳本なのですが、とあるところで絶賛されていたのを以前に見かけてずっと気になってはいました。
それでも、これだけ読むのが遅くなってしまったのは、多少の抵抗感があったからだと思います。

図書館通いを再開して、ふと英米文学の棚にあるこの本に目が留まり、いい機会だし、思い切って借りてみることにしました。
読んでみて、翻訳本を好きになった、とまでは言えないのだけど、でもやはり読んでみてよかったと思いました。
毛嫌いしていてはもったいないです。
でも、私にもう少し英語力があれば、原文を読んでみたい気持ちもあります。

以下、ネタバレにならないように気をつけたつもりの、感想。

>>続きを読む
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2009/06/19

「タタド」 小池昌代

タタドタタド
(2007/07)
小池 昌代

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★★★★

20年連れ添った夫婦とそれぞれの友人。50代の男女4人が海辺のセカンドハウスに集まってくる。海藻を拾ったり、夏みかんを齧ったり、あどけないような時間のなか、倦怠と淡い官能が交差して、やがて「決壊」の朝がやってくる―。川端賞受賞作「タタド」、海辺で夫を待つ女と、風、砂、水、光による侵食を描く「波を待って」、同級生夫婦の家での奇妙な住みこみの仕事を描く「45文字」。全3篇収録の傑作短篇集。川端康成文学賞受賞。
「BOOK」データベースより



小池昌代さん、2冊目。
何やら不穏な空気をはらんで進んでいく3つの話。
小池さんの書く文章はやはり美しく、魅力的です。
生を強烈に生々しく感じさせる一方で、その刹那に死のにおいが漂ってくるかのよう。
物事は、ちょっとしたきっかけでがらりと一変する。
その抗えない流れに、いつの間にか巻き込まれている(もしくは巻き込んでいる)のが恐ろしい。

小池さんの作品、まだまだ読み足りません。
物語に、というよりも言葉と文章に中毒性があるのかも。
そう、物語の私の好みは、心温かくなるような、胸熱くなるような、そんな話なので、本来ならそこまで興味が続かないはず。
それでも、ぞくっとする一文に心をわしづかみにされ、もっと読んでみたくなるのです。

以下3編収録
「タタド」
「波を待って」
「45文字」
か行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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