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2014/02/17

「てふてふ荘へようこそ」 乾ルカ

てふてふ荘へようこそてふてふ荘へようこそ
(2011/05/31)
乾 ルカ

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★★★☆

直木賞候補作『あの日にかえりたい』の異才が挑んだ、笑いあり涙ありの連作ヒューマンドラマ!このアパート、なにやら秘密があります。特異な事情を抱えた6人の住人たちが出会った奇跡。切なくて、哀しくて、でもあったかい、おんぼろアパート物語。予想外のラストまでノンストップ。
「BOOK」データベースより



早い段階で展開が読めてしまったので新鮮な驚きや高揚感はなかったけど、そのぶん安心して事の推移を見守るように読みました。
少し不思議であたたかな物語。

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2013/07/31

「なでし子物語」 伊吹有喜

なでし子物語 (一般書)なでし子物語 (一般書)
(2012/11/07)
伊吹 有喜

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★★★★

父を亡くし母に捨てられ、祖父に引き取られたものの、学校ではいじめに遭っている耀子。夫を若くして亡くした後、舅や息子と心が添わず、過去の思い出の中にだけ生きている照子。そして、照子の舅が愛人に生ませた男の子、立海。彼もまた、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しんでいる。時は一九八〇年、撫子の咲く地での三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かしはじめる―『四十九日のレシピ』の著者が放つ、あたたかな感動に満ちた物語。
「BOOK」データベースより



泣きました。
耀子と立海があまりにいたいけで、不憫で。
傷つきながら少しずつ、前に進もうとする姿がいじらしくて。

きっとこの先も、それぞれにいろんな困難が待ち受けているのが簡単に想像できる。
けれど強くなって、その理不尽な壁を乗り越えていって欲しい。
そう願わずにはいられませんでした。

自立、かおをあげていきること。
自律、うつくしくいきること。
(中略)
やらまいか。
あたらしいじぶんを、つくるんだ。

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2013/06/03

「ピエタ」 大島真寿美

ピエタピエタ
(2011/02/09)
大島 真寿美

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★★★★

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。
「BOOK」データベースより



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2013/05/19

「我が家の問題」 奥田英朗

我が家の問題我が家の問題
(2011/07/05)
奥田 英朗

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★★★☆

平成の家族小説シリーズ第2弾!
完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。
集英社HP



家族をテーマにした、6つの短編。
数年前に「家日和」を読みましたが、その第2弾。

甘い生活?
ハズバンド
絵里のエイプリル
夫とUFO
里帰り
妻とマラソン


奥田秀朗さんの文章は、本当にするすると読みやすいです。
第1弾はかなりユーモアにデフォルメされていたように記憶していますが、今回は少し抑えめで、そのぶんリアリティが強いように思いました。
なかでも「里帰り」が比較的自分の状況に近くて、身につまされるというか、耳が痛いというか。
「夫とUFO」「妻とマラソン」の2作が、読後感もよくて好きでした。
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2013/03/06

「その場小説」 いしいしんじ

その場小説その場小説
(2012/11/09)
いしい しんじ

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★★★☆

京都の書店では一冊の本が全裸の女に変わり男と交歓し、東京のお寺ではビルマのジャングルに飛んだ男がトラを見て小便を漏らす。香川の豊島ではじいさんが指でキスを釣り、大分のストリップ劇場では湯の中に男も女も生も死も溶けていく―。豊かで深い空間と時間が立ち上がり、胸の底で眠っていた魂が踊り出す。北海道、長野、茨城、東京、京都、熊本、福岡、大分、沖縄―。出会った人々、空気、時間に任せ、うねり弾む文体で紡がれた特別な小説。
「BOOK」データベースより



自作の小説の朗読を依頼され、既に書き終えた作品に興味を持てないいしいさんが、「その場」で書いたものを朗読する形式を始めたことをきっかけに、依頼があればその手法で即興の小説を書き連ねて読み、その出来上がった54の物語が1冊の本となったそうです。
現実と空想の世界が入り乱れた、突飛で不思議ないしいワールドが全開でした。
震災後に書かれた物語は、それに絡んだものが多かったように思います。
怒りだったり、悲しみだったり、そういう感情が直接的ではなく、にじみ出ていたように感じました。

とにかくすごい才能。
本として読んで面白かったけど、その場でしか味わえない空気や面白さ、臨場感があるんだろうな。
物語が生まれた瞬間に居合わせたお客さんがうらやましいです。
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2013/02/03

「プラネタリウムのふたご」 いしいしんじ

プラネタリウムのふたご (講談社文庫)プラネタリウムのふたご (講談社文庫)
(2006/10/14)
いしい しんじ

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★★★☆

だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。―星の見えない村のプラネタリウムで拾われ、彗星にちなんで名付けられたふたご。ひとりは手品師に、ひとりは星の語り部になった。おのおのの運命に従い彼らが果たした役割とは?こころの救済と絶望を巧まず描いた長編小説。
「BOOK」データベースより



いしいしんじさんは何冊か読んでいますが、今作の独特な語り口に慣れるのに時間がかかったのと、前半の細やかで緩やかな物語の進み方に、かなりのスローペースな読書となりました。
でも最後まで読み切ってよかった。
残酷な出来事に打ちのめされ、涙なしには読めなかったけれど、それを包み込む大きな温かさと優しさが心に染み、救われました。
とてもとても長い、大人の童話を読んだような思いです。

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2012/12/26

「シューマンの指」 奥泉光

シューマンの指 (100周年書き下ろし)シューマンの指 (100周年書き下ろし)
(2010/07/23)
奥泉 光

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★★★★

シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「私」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、指にピアニストとして致命的な怪我を負い、事件は未解決のまま30年の年月が流れる。そんなある日「私」の元に修人が外国でシューマンを弾いていたという「ありえない」噂が伝わる。修人の指に、いったいなにが起きたのか。鮮やかな手さばきで奏でる“書き下ろし”長篇小説。
「BOOK」データベースより



表現が硬くて言い回しも難解に感じ、専門用語も多かったので、正直とても読みづらかったです。
クラシック音楽にもシューマンにもまったく見識がないため、言葉からそれを想像するという作業に疲れ、最後まで読めるかなと少し怪しみながら、何度も休憩を挟みつつ前半をやり過ごしました。
音楽を言葉で表現することのむずかしさ、それを感じ取ることのむずかしさを改めて知りました。
鹿内が登場するあたりでユーモアも出てきてそれに救われながら、後半はぐいぐいとその物語の流れに飲み込まれていって、いつの間にか読み切っていました。

ミステリーと思って読んでいなかったのがよかったのか、いろいろな仕掛けに素直にはまった私は、最後まで物語の表裏にくるくると翻弄されながらその驚きを楽しめたのでした。
真相を知った今、またいちから読み返してみたくなるような一冊です。
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2012/10/31

「さようなら、猫」 井上荒野

さようなら、猫さようなら、猫
(2012/09/15)
井上 荒野

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★★☆☆

乾いている人、求めている人、愛している人、憎んでいる人、何も考えたくない人。彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。猫も、愛も、幸せも、閉じ込められない。短編の名手が紡ぐ魅惑の九編を収録。
「BOOK」データベースより



「静子の日常」以来の井上さんの本。
最近、私自身が猫好きになり、タイトルに思わず手がのびました。
でもどれも主役は猫ではなくて、人間の話。
どこか危うさを孕んだ、少し心がざわつくような読後感の短編集でした。
どれもとてもうまいなと思うんだけど、手放しでよかった!と言えないのは、やっぱり猫の扱いのせいかな。

以下9編収録。

自分の猫
わからない猫
赤ん坊と猫
降りられない猫
名前のない猫
ラッキーじゃなかった猫
他人の猫
二十二年目の猫
さようなら、猫
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2012/06/28

「夢違」 恩田陸

夢違夢違
(2011/11/11)
恩田 陸

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★★★☆

夢を映像として記録し、デジタル化した「夢札」。夢を解析する「夢判断」を職業とする浩章は、亡くなったはずの女の影に悩まされていた。予知夢を見る女、結衣子。俺は幽霊を視ているのだろうか?そんな折、浩章のもとに奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する集団白昼夢。狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視た浩章は、そこにある符合を見出す。悪夢を変えることはできるのか。夢の源を追い、奈良・吉野に向かった浩章を待っていたものは―。人は何処まで“視る”ことができるのか?物語の地平を変える、恩田陸の新境地。
「BOOK」データベースより



「違和感」という言葉が多用されていて、日常のなかに生じる小さなズレに怖さを感じました。
途中途中でけっこう怖かったです。
ぐいぐい引き込まれて、分厚い本もあっという間でした。

が、結末が残念かな。
他の方のレビューを読んでみて知りましたが、恩田陸さんはこういうはっきりしない終わり方の作品が多いんですね。
結末の手前まですごく惹きつけられていただけに、これで終わり?と拍子抜けしてしまいました。
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2012/06/07

「春から夏、やがて冬」 歌野晶午

春から夏、やがて冬春から夏、やがて冬
(2011/10)
歌野 晶午

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★★★☆

スーパーの保安責任者の男と、万引き犯の女。偶然の出会いは神の思い召しか、悪魔の罠か?これは“絶望”と“救済”のミステリーだ。
「BOOK」データベースより



「葉桜の季節に君を想うということ」を読んで以来の久しぶりの作家さんです。
直木賞候補に挙がっていた作品なので、図書館で予約していました。

淀みなくすらすらと読める文章です。
はじめから重たい話ですが、場面展開がスピーディーで、飽きることなくぐいぐい読めました。

ネタばれしないように書くの難しいな…。
違う形の結末をどこか期待して読んでいました。
小説として面白いとは思うんだけど、虚しさとやるせなさにぐったりとしてしまいました。
あ行その他 | Comments(0) | Trackback(0)
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